太陽光発電。敷地不足を解決する「まさかのアイデア」がついに発見される・・・
再生可能エネルギーのひとつとして注目が集まる太陽光発電。起伏に富んだ日本の国土では、あの黒いパネルを無数に設置できる発電所の敷地確保は、意外に困難なんだそう。この問題を一気に解決する壮大なプロジェクトが現在進行中。国内のみならず海外でも、大きな話題を呼んでいます。
18万平方メートルに50,904枚の太陽発電パネル
無数に並ぶ黒いパネル。この一枚一枚が太陽発電のパネル(太陽電池モジュール)なんですが…その数じつに50,904枚!これだけの量を設置するには、広大な敷地が必要ですよね。その候補地に決まったのが、千葉県市原市山倉地先。県企業庁が管理する工業用水専用の「山倉ダム」の水面に、発電パネルを浮かせてしまおうというプロジェクトが現在進行中なのです。
京セラTCLソーラー合同会社(京セラ株式会社と東京センチュリーリースが共同出資)が開発を進めている、「千葉・山倉水上メガソーラー発電所」は2017年度内の稼働を予定。上の写真はその完成予想図です。水上設置型としては、世界最大規模のものになるんだそう。
パネルの冷却、水草抑制効果
水上ならではの“メリット”
水上ならではの“メリット”
水上に設置するのは、単にスペースの有効活用という訳でもないようです。たとえば陸上や屋根の上に設置するパネルに比べ、冷却効果を得られ、高い発電量が期待できます。さらには、猛暑の中でも水面を覆うパネルやモジュールが貯水の蒸発量を抑えたり、藻類の異常繁殖を防ぐ効果もあるんだとか。
西日本で既に稼働済み
敷地不足を有効活用
こちらはすでに稼働が始まっている兵庫県加西市の逆池(さかさまいけ)の水上メガソーラー発電所。2015年6月より関西電力への売電も開始しているそうです。一般家庭約820世帯の年間電力消費量に相当する約2,680MWhを供給。池一面を覆い尽くすように、びっしりパネル(太陽電池モジュール)が並んでいる様子が見て取れます。
2012年7月 「再生可能エネルギー発電電力の固定価格買取制度」が施行されて以降、国内でメガソーラー開発が加速しています。南北に伸び、起伏に富んだ日本列島では、大規模プラント設置が条件的に難しいんだそう。けれど、ダムや貯水池、ため池、調整池は全国各地にあります。太陽光発電に適した条件、さらには水上を有効活用することで、永続的に利用できるエネルギーを手に入れる。国土の狭さを、水上設置で補ったこの着眼点。ナイスですね。