「カップヌードル」開発のキッカケは、まさかの......
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
「カップヌードル」が発売された日
「カップラーメン」と聞いて、日本中の......いや、世界中の多くの人がイメージするであろう、あの赤と白のカラーリングが特徴の一品「カップヌードル」。
今日、9月18日は、世界初のカップラーメンである「カップヌードル」がこの世に誕生した日です。
さかのぼること今から56年前。「日清食品」の創業者・安藤百福(ももふく)氏は、自身が開発した世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を海外に売り込もうとアメリカへわたりました。サンプルをわたすと、現地のバイヤーは食器類が仕舞われたシェルフのなかからラーメン丼......などあるはすもなく、コーヒーを飲んでいた紙コップに乾麺を砕いて入れ、お湯を注いだといいます。
そう、海外にはインスタントラーメンを食べるのに適した器がなかったのです。
逆境にも思えるそんな状況ではありますが、数々の苦難を乗り越えてインスタントラーメンの開発に成功した安藤氏が、そうやすやすと引き下がるはずはありません。
「お湯を注ぐだけで食べられ、なおかつ器もいらないインスタントのラーメンを作ろう」──。これが「カップヌードル」を作るに至ったきっかけなのだとか。
開発着手から5年後の1971年の9月18日、ついに発売された世界初のカップ入りインスタントラーメン「カップヌードル」。
発売当初、袋麺が1食25円という時代に100円という高価格帯の商品であったことや、若者をターゲットにした“立って食べるシーン”などが描かれたコマーシャルに対し「公序良俗に反する」などの批判が上がり思うように売り上げは伸びなかったといいます。
しかし、発売の翌年2月に発生し、日本中が固唾を飲んで見守った過激派「連合赤軍」による人質立てこもり事件(あさま山荘事件)で、機動隊員たちが寒中で湯気の上がる「カップヌードル」をすする様子がテレビ中継されたことで話題となり大ヒット。その後の大躍進は言わずもがなでしょう。
現在、世界100ヵ国でローカライズされた味、香り、スタイルで展開され、総需要500億食を超える「カップヌードル」ですが、そこに至るまですべてが計算通りだったわけではありません。
モノもヒトも、大きく羽ばたくためには“きっかけ”が重要な要素です。
アナタにとってのきっかけは、いつでしょうか? ......もしかすると、それは“今日”かもしれませんよ。