今さら聞けない「フェミニズム」と「ウーマンリブ」の違い
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ウーマンリブの日
「世界経済フォーラム」が今年3月に発表した「ジェンダーギャップ指数2021」。性差の違いにより生じる格差や不平等、日本は156か国中、120位にランクインに。
SDGsの取り組みのひとつでもある「ジェンダー平等を実現しよう」には、残念ながら程遠いと言わざるを得ない結果かもしれません。
ただ、ジェンダーギャップの解消やポジティブ・アクション、女性のエンパワーメントなど、環境づくりの背景には、女性解放運動によって勝ち得たものも少なくありません。
そのひとつ、今日は「ウーマンリブ」にゆかりのある日。
ウーマンリブとは、1960年代後期のアメリカから端を発した女性解放運動のこと。今でこそ当たり前とされる男女平等の権利を求める「Women’s Liberation」の略語として使われるようになったワードです。
1970年11月14日、女性解放運動を高めるため日本初のウーマンリブの大会が東京・渋谷で開催されました。社会からの押し付けに対する“生きづらさ”や“何かが違う”という感覚を抱く多くの女性たちが参加し、男性からの解放、性の解放を訴えたそうです。
日本における女性の権利と自由を考えるという意味において、ひとつのきっかけを与えた大会を経て、70年代にウーマンリブは活発化、のちの男女雇用機会均等法成立(1985年)へと社会を変えていく原動力となったわけです。
では、ウーマンリブとフェミニズムはなにが違うのか?
同義語のようにも思えるこの2つ。じつは始まりはフェミニズムの方が早く、19世紀を通じて女性参政権や高等教育権の獲得、性差別のない社会の実現を目指す運動。
これに対し、ウーマンリブは前述のように1960年代に新たに発生したもので、「フェミニズムの第2波」とも呼び慣わされています。フェミニズムの流れを受けてのものではあるものの、性別による役割分担からの解放や、より自己現実を求めて社会の風潮を変えていこうとする動き。
「私も。」を意味する#MeToo運動が盛りあがったのが2017年。「ウーマンリブ」もまた、世の中を変えていこうとする動きから生まれた運動だったことを思うと、やっぱり声をあげていくことの必要性を感じずにはいられません。
もっと、自分らしく生きるためにも。