いま、なぜ「アニマルウェルフェア」が叫ばれるのか?
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
国際動物の権利デー
(International Animal Rights Day)
人間と同じように動物も配慮される世界を願ってキャンペーンを行う一日、今日12月10日は「国際動物の権利デー」。アニマルライツデーとも呼ばれています。
毛皮、ウール、ダウンにレザー、さらには動物実験、食用肉……。これまで当たり前だったものがそうじゃなくなってきた昨今。アニマルウェルフェアの動きは顕著で、ハイブランドを中心にファッション業界ではアニマルフリーなヴィーガンファッションへとシフトする動きが加速しています。
この1〜2年、世界のアニマルウェルフェアの現状を伝えるニュースを数多くお届けしました。その中から、いくつかをセレクトしてみました。
生きたまま茹でるのは非人道的
日本人からすると少し耳の痛い話かもしれません。
先月、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスによる調査で、タコ、イカ、カニ、そして大型エビに「苦痛の感覚」が備わっていることが証明されました。
なかでも特にタコが痛みに対する感覚を持っていることは明らかで、これらの生物を生きたまま冷凍したり、茹でて調理したりすることは“非人道的な行為である”とする調査報告がなされたそうです。
これを受けて英政府は、現在審議を進めている動物福祉法案の保護対象のリストにこれらの生物を追加。
もしかして、いつの日か英国の食卓からシーフードが消えたりして!?
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動物園からゾウが消える日
こちらもイギリスのお話。
2020年1月の時点ですでにサーカスなど娯楽目的での野生動物の利用を禁じている英政府。今度は動物園やサファリでのゾウの飼育と新たな捕獲を禁ずる法案が審議され、この年末には決議が出る予定です。
現在イギリスには11の動物園に51頭のゾウが飼育されているそうですが、法制度が進めば、近い将来、動物園で子どもたちがゾウを見る機会が失われるのかもしれませんね。
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初めて「人権」を認められたカバ
これは考えさせられるニュースでした。
オハイオ州の南部地区の地方裁判所が下した歴史的判断。それは、動物を「法的な人間」として認めるというもの。
ことの始まりはこうです。コロンビアの麻薬王が自宅の動物園で飼育する目的で密輸したカバ4頭。のちに警察によって殺害され、持ち主不在となったカバは繁殖をくりかえし、最終的に120頭近くまで増えてしまった。
近所に暮らす人たちは生活の不安を感じ、駆除するか避妊措置を施すかで議論になりました。結果、避妊薬を投じたものの、薬はカバにとって安全と言えるものではなかったようです。
これに米アニマルウェルフェアのファンドが反発。より安全な避妊薬の使用を訴えるために「カバを原告」とした訴訟をオハイオ州に申請したのです。
アメリカ史上初めて、カバに人権が認められた瞬間でした。
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人と動物、棲み分けという問題
それでも、生命を無駄にしない。
最後はすこし難しい問題。
近年、地方部を中心にシカやイノシシなどの野生鳥獣による被害が深刻な問題となっています。農林水産省のデータによると、農作物被害額230億円だった2012年以降、徐々に減ってはいるものの今も被害額は甚大なもの。
害獣駆除を目的とした狩猟では、狩られた野生動物の一部、または全部がそのまま廃棄されてしまう現実があるそうです。
もちろん、彼らにも尊い生命があります。廃棄するのではなく、貴重な天然資源として無駄にせず鹿肉を活用できないか。猟と野生のはざまで社会課題を解決するあるソリューションが生まれました。
行き先は人間ではなく、野山に放棄された犬や猫たち。
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動物の権利とは? この先、同じ生き物として人間はどう彼らと接していくべきなのか?今後も議論は続くことでしょう。
奇しくも、今日は「国際人権デー」でもあるんですよね。