岩に乗せた石に石を......?「バスケットボール」のもととなった遊びとは?
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
「バスケットボール」というスポーツが誕生した日
アメリカを代表する4大国技のひとつに数えられ、今年、その頂点とされるプロリーグ・NBAが創設75周年を迎えたことから、ここ日本でも例年以上の大きな盛り上がりをみせるバスケットボール。
131年前(1891年)の今日12月21日は、そんなバスケットボールの原型とされるスポーツが誕生した日です。
考案したのは、当時、米「スプリングフィールド大学」に通っていた学生兼非常勤講師のジェームズ・ネイスミス、30歳。
体育学部長から「冬に屋内でできる新しいスポーツを考えてくるように」と宿題を出された、ジェームズをはじめとする生徒や講師たち。多くが、当時から人気を博していたアイスホッケーやアメリカンフットボールといったフィジカルコンタクトの多い競技を提案するなか、ジェームズは、小さな子どもたちが遊ぶ、ある児戯に着想を得たスポーツを考え出します。
もととなった子どもの遊びとは「duck-on-a-rock(ダック・オン・ア・ロック)」。
日本では馴染みのない遊びかもしれませんが、その内容は、岩のうえに乗せた石に、別の石を投げて当てるというもの。
そんなシンプルな遊びに「相手に触れてはいけない」「ボールをもったまま歩いてはいけない」など、現在のバスケットボールのルールの原型ともいえる13の規則を与え、桃の収穫の際に使われていた籠とサッカーボールで模擬ゲームがおこなわれたのがバスケットボールというスポーツの発祥とされているのです。
現在では、ヒップホップをはじめとした音楽やストリートファッション、アートなどとリンクし、数あるスポーツのなかでも随一のマッチョさ&スタイリッシュさを誇るバスケットボールですが、それが小さな子どもたちが広場や裏庭で夢中になっていた遊びを原型にもつとは......。
“アイデアの種”は、日常のそこかしこに転がっているものなのです。
ほら、あなたの足元にも、きっと。