目指すは億万長者!170年前に米・西海岸で起きた狂騒劇
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
米・カリフォルニアで「ゴールドラッシュ」のキッカケとなる出来事が起きた日
1848年1月24日、米・西海岸(※)のカリフォルニアにある小さな街・サッターズミル。
仕事場である製材工場に水を引く水車を建造するための溝を掘っていたジェームズ・W・マーシャルは、泥濁りの水のなかでもまばゆく輝く金色の小さな鉱物の欠片を見つけました。
「まさか......」。半信半疑ながら鑑定士に分析を依頼したところ、それが紛れもない金であることが判明。同年3月15日、地元紙『ザ・カリフォルニア』が報じるも、眉唾ものの今でいう“フェイクニュース”と捉えられ、このトピックが大きな話題になることはありませんでした。
しかし、その後の調査により、カリフォルニアに金の鉱脈が実存することが確認され、8月、有力紙『ニューヨークヘラルド』がそれを報じると、アメリカ国内だけでなく、世界中から一攫千金を夢見る人が大挙して押し寄せました。
これが、後の米・西部開拓時代につながる「ゴールドラッシュ」のはじまりです。
金発見の第一報の翌年、1849年にカリフォルニアに採掘のために殺到した人々は「フォーティナイナーズ(49ers)」と呼ばれ、サンフランシスコの人口は、わずか10年ほどで200倍にも膨らんだといいます。
学校や病院、協会といった施設が整備され、西海岸エリアは都市として急速に発展。1850年にはアメリカ31番目の“州”に名を連ねるまでになったのです。
音楽、ファッション、アートなど、西海岸発祥のカルチャーがどこかきらびやかな雰囲気を放つのは、こんな歴史的な背景があるのかも?
※当時のカリフォルニアの一部はアメリカではなくメキシコの国土(領土)だった。