干上がった川底から「1億1300万年前の足跡」を確認、テキサス州にて

西洋を中心に、深刻な水不足が続いている昨今。

ヨーロッパでは「500年に一度の干ばつ」と言われるほど深刻だが、この事態は考古学にとっては少しポジティブな側面もあるようだ。

というのも、水が干上がることで水中に沈んでいる太古の遺物が次々に発見されているというのだから。

スペインでは貴重な古代遺跡が露出し保護する機会が訪れたほか、他の地域でも続々と遺跡や歴史的遺物が発見されている。

そんな中、アメリカで新たに発見されたのが、1億1300万年前の恐竜の足跡だ。

テキサス州のダイナソーヴァリー州立公園にて、川底に沈んでいたアクロカントサウルスの足跡が22年ぶりに確認。

© environmental_defense_fund/Instagram

世界的に見てもかなり状態の良いものらしく、30メートルにわたる140個の足跡のうち、60個が露出しているそう。

現在、テキサス州はほぼ全域が渇水に見舞われているということで、広範囲にわたる足跡の露出も水の干上がり具合を示していると言えるだろう。

アクロカントサウルスは、二足歩行のいわゆる“恐竜のフォルム”をした獣脚類の一種。全長は10m以上、体重は5tを超えるという大型種で、ティラノサウルス等と並ぶ北米最大級の肉食竜だ。

20年以上も川底にあったものが露出しているというのは、それだけ水不足が深刻だということ。俯瞰している場合ではないが、「久々に肉食竜の足跡を確認」というのはロマンを感じさせるもの。

事態をしっかりと受け止めて対策を急ぎつつ、起きてしまった渇水は研究の機会として活かされることを願おう。

Top image: © W. Scott McGill/Shutterstock.com
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