天から降ってくる「津波」に私たちができること

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

磁気嵐が深刻な被害をもたらした日

太陽は万物の母。

人も、動物も、植物も、太陽なくして生命を維持することはできません。ですが、ときに我々人間に牙を剥くこともあるのが太陽。

磁気嵐という言葉を聞いたことがありますか?

太陽の表面で起きる大爆発に「太陽フレア」というものがあります。フレアは黒点の磁場が変化するとき、そのエネルギーがまわりのガスに伝わって起きると考えらえています。高温のガス爆発は電波やX線のほか、電子や陽子を主体とする高エネルギー素粒子も一緒になって飛び出してくるんだそう。

さて、 太陽から放出されたX線や素粒子は、およそ2日ほどかけて地球へと到達します。するとどうなるか。地球の周辺にある磁気圏に強い電流が流入し、電離層や地球の磁気(地磁気)をかき乱すと同時にオーロラを発生させ、電波通信を妨害したり、動物の行動に影響を与えることも。

こうした地球の磁場に不規則な変化をもたらし、通信の妨げを引き起こす現象のことを磁気嵐と呼ぶそうです。

じつは、現代においても大規模な磁気嵐の原因について、科学者たちは完全に理解するまでには至っていないばかりか、いつ起こるかの予測も難しいんだそうです。

では、もしそれがやってきたとき、いったいどんな被害が考えられるのか?史上最大規模の磁気嵐が地球を襲った1989年3月の例をご紹介しましょう。

 

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33年前の今日(3月13日)、人類がいまだかつて経験したことのない最大級の磁気嵐が発生し、北米を中心に甚大な被害をもたらしました。

3月6日、9日の2度にわたって太陽から放出されたプラズマの塊(太陽風)が1億5000万キロ離れた地球に到達。磁気圏を荒らしたのです。

磁気嵐は極域における強力なオーロラからはじまりました。それはテキサス州やフロリダ州などアメリカ南部でも観測されるほど。

冷戦末期のこの時代、米南部で観測されたオーロラは当初、「ソビエト連邦による核攻撃ではないか」といった憶測もあったというんですから。初めて目にする異様な光景に緊張感が走ったとしても、不思議じゃないですよね。

次いで電波障害が発生。まず、短波ラジオが通信不能となり、米国の気象衛星との通信も途絶えるなど、軌道上のいくつかの衛生は何時間にもわたってコントロールが失われたそうです。

さらに、カナダ東部ケベック州においては、ハイドロ・ケベック電力公社の電力網のブレーカーがシャットダウン。州内はおよそ9時間にわたって大停電に見舞われました。

また、宇宙空間ではミッション遂行中だったスペースシャトル・ディスカバリー号でも機器の不具合が生じたと伝えられています。

一夜にして北米を大混乱に陥れた磁気嵐は、「1989年3月の磁気嵐」として記録されることに。技術進歩とともに、現在ではこうした強い磁気嵐の予測は「宇宙天気予報」の一環として重要視され、国際協力体制のもと日々観測が行われているそうです。

GPSや衛星に頼りっぱなしのいま、もし磁気嵐に襲われたら……。考えただけでも寒気がしてきませんか?

Top image: © iStock.com/ansonmiao
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。