【悲報】世界初の「美術展」は、驚くほど人々の感心が薄かった……。
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
世界初の美術展が開催
1667年の今日(4月9日)、仏パリにて世界で初となる美術展が開催されました。
王立アカデミーが主催した展覧会は、パレ・ロワイヤルの一画を借りるかたちで、アカデミー会員の作品を一般公開したのが始まりとされています。
この日から23日までの15日間にわたって開かれたそうです。
ところが、記録によると当時の人々の反応はいまひとつだったようで、その後も1年おきに開催されたものの、大反響には程遠い展覧会だったんだとか。
まあ、それもそのはず。17世紀の美術界は王族や貴族をはじめパトロンと芸術家という構図が長く続いていた時代。芸術とは、特権階級のための。大衆には芸術を楽しむ余裕なんてなかったと考えるのが正しいのかもしれませんね。
それでも、記念すべき第1回を経て、断続的ではあったものの19世紀以降のサロンの原型をかたちづくっていくことになりました。
フランス同様にイギリスでも、ロイヤル・アカデミーの前身であるイギリス美術家協会が1760年に展覧会を開催。ドイツでは版画家ダニエル・ホドウィエツキがベルリン・アカデミーの主催で1787年に初の個展を開催しています。
芸術家と鑑賞者という美術消費の時代を迎えたのは19世紀に入ってから。個展やグループ展が開催され、回顧展も見られるようになり、いよいよ民衆にも芸術が浸透していきました。
ちなみに、日本初の美術展は1872年。文部省博物館が主催により文京区の湯島聖堂で開かれた政府主催美術展覧会(官展)がはじまりとされています。古美術品、工芸品、絵画などが展示されたそうですよ。