93年前の今日、なぜ「BBC」は「今日、ニュースはありません」と発表したのか?

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

「BBC」がラジオのニュース番組で

「ニュースはありません」と発表した日

イギリスの公共放送局でありながら、これまでさまざまなスクープ報道を世に送り出してきた「BBC(British Broadcasting Corporation)」。

そんな世界に冠たる報道機関であるBBCが、1930年の今日4月18日、ラジオのニュース番組で信じれないような“ニュース”を放送しました。

20:45、アナウンサーが告げたニュースの内容、それは「there is no news tonight.(今夜はニュースはありません)」。そして、発表後、番組が終了する21:00までの15分間にわたり延々とピアノの演奏を放送したといいます。

当時のBBCは自社を「イギリス国民の文化の向上に寄与する国家的機関」と考えており、視聴者や聴取者、ひいては広告主を喜ばせる内容──センセーショナルなニュースを扱っていませんでした。

件の4月18日も、もちろん事件や事故、政治、経済にまつわるトピックは数多く発生、存在していました。が、クラシック音楽や演劇などを好む、BBCが考える“理想のユーザー層”が興味を抱くニュースはないと判断した局は「今夜はニュースはありません」と発表したのでした。

ネットニュースやSNSから、つねに最新の“痛ましい報道”が流れてくる現代。「何もない日」が、とてつもなく愛おしく思えるのは気のせいでしょうか......?

Top image: © iStock.com/Tashi-Delek
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。