【調査結果】「4月1日、18歳からが大人です」──はたしてZ世代はどう感じた?【成人年齢引き下げ】
民法の改正により、4月1日、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
明治時代から約140年間にわたって“子どもと大人の境界線”とされてきた年齢の変更は、社会の構造やシステムに大きな変化をもたらします。
ただ、変化するのは社会だけではありません。境い目の世代──そう、Z世代の生活や心にも、大きな変化が。
「バイドゥ」が展開する顔文字キーボードアプリ「Simeji」がZ世代を対象に実施したアンケートによると、 成人年齢の引き下げにGen Zはポジネガの両面を感じているようで......。
まずはポジティブな意見について。
「成人年齢の引き下げについて良いと思う点を教えてください」という質問に対し、42.8%という多くの賛同を集めたのが「携帯電話の契約」。親の同意がなくても契約できるということは、つまり、利用時間やアクセス先の制限などを受けない好みのプランやメニューを選べるということ。
物心ついたころには、すでにスマホが決して手放すことのできない重要なコミュニケーションツールになっていた10代のZ世代にとって、たしかにこれは革新的な嬉しい変化といえるのかもしれません。
2位の「クレジットカードを作る」、4位の「部屋を借りる(賃貸物件に契約)」(※)も多様で多彩なライフスタイルを好むGen Zならでは(※)。
そして、注目したいのが「性別の変更(性同一性障害の方が性別取り扱いの変更審判を受けられる)」を25.8%が「良い点」として挙げている点。
2020年の米・調査会社の発表によると、アメリカのZ世代の6人に1人がLGBTQであることを自認しているのだとか。かつて性的マイノリティとして多くの偏見や差別にさらされてきたLGBTQの人々やそれらを取り巻くカルチャーでしたが、全世界的に拡大する「プライドパレード」をはじめとする、近年のインクルーシブ(包括的)な社会の実現に向けたさまざまなアクションは確実に実を結び、 多様なセクシャリティの在り方は、Z世代たちの“当たり前”になりつつあるようです。
続いて、ネガティブな反応はというと......。
「軽率に各種契約をしてトラブルになったりしないかは心配」や「(成人する前に)クレジットカードやローンなどの仕組みについてはしっかり教えてほしい」など、「良いと思う点」で多くの票を集めた「お金」にまつわる内容を逆に「不安」に感じているZ世代も少なくないよう。
政府や金融機関をはじめとする企業もトラブル防止のためのガイドラインを策定していますが、まずはその仕組みを理解するための「教育の整備」が必要であり重要といえそうです。
最後に、アンケート調査の際に寄せられた「あなたにとって“大人”とは?」への回答をいくつか抜粋してご紹介します。
「年齢だけでなれるものではない」
「自由だけど責任のある人達」
「自分で判断できるようになったら大人」
「自立していて、精神的に成熟している」
「自分の事だけでなく周りの事もきちんと出来る人。」
※原文のまま記載
いつの世も、新たに時代を牽引し、新たな文化を生み出す世代は、それまでの考え方や価値観とのギャップを粒立てて語られがちです。
しかし、先のZ世代が想う大人像に違和感を感じる人はそう多くはないのでは?
かつての大人とかつての子ども(=これからの大人)による多様性に富んだ世界と社会は、きっとかつてない魅力的なものになることでしょう。
※3位は「特に良いと思う点はない」33.6%。