Metaのメタバースがメタ的すぎる

一昨年、衝撃の社名変更をもってメタバースへの本気度をアピールした旧フェイスブックことMeta社。 

最先端VRデバイス「Meta Quest」の発売から2年が経過し、様々なゲームやアプリケーションをVRで楽しめるようになった今日、ついにその本筋となるプラットフォームがリリースされた。 

© MetaQuestJapan/Twitter

6月14日、独自メタバースへの入り口としてリリースされたのが「Hrizon Home」というアップデート。 

これまでQuest内のプライベートな拠点的な空間であったHome内に、他者のアバターを呼ぶことができるというもの。 

一見大したものでもなさそうだが、これが意外と奥深そう。 

というのも、Homeではうつろいだり会話したりできるのはもちろん、友人や家族とバーチャルのプライベートシアターを楽しんだり、新たなゲームセッションを企画したりと様々なアクティビティが楽しめる。 

しかも、そこで上映されるのはVRならではの没入型ムービーで、再生すればHomeは過酷な氷山や国際宇宙ステーションへと早変わり。 おいそれと行くことのできない空間も、プライベートスペースとして利用することができるのだ。 

そして何よりも、Homeはユーザーが好みに合わせて自由にカスタマイズできる空間であり、これをシェアすることは新時代の“自己表現”そのもの。 

これまでFacebook、Instagramなど日常に寄り添った自己表現の場を提供してきたMeta社だけに、新たな領域であるメタバース内においても「Home=家」という、もっとも日常的な空間をシェアするという、ある種の自己言及=すなわちメタ的な方法にたどり着いたというわけだ。 

ちなみにこれは、近年のSNS業界が夢中になっている「クリエイター争奪戦」にも通ずるものと言える。 

マンハッタンの高級マンション風の一室から、由緒ある日本家屋まで幅広いデザインを可能にすることで、クリエイターへの限りない創造性を提供しているのだ。 

© Meta Quest Japan/YouTube

どうだろう、「MetaがHome空間のシェアサービスを提供する」ことの意味深さを感じていただけたのでは? 

そんな「Meta Horizon Home」は今後もアップデートを続けてデザインの幅を広げるほか、そこに置くアイテムの販売も可能にする計画があるとか。 

今後、Homeを駆使することで、空間で自分をアピールする新世代のインフルエンサーが現れるのかもしれない。今後のHorizonの動向に期待しよう。 

Reference: about.fb.com
Top image: © 2022 Meta
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。