アパレル業界を未来へと導く「究極のプリンター」
プラザクリエイトの答えは、「真逆の業界だから」。
写真プリントは、顧客による受注を受けてから印刷をするオンデマンド形態のビジネス。この視点から、過剰生産を続けるアパレル産業に受注型の生産方式を提案しようとしているのだ。
なるほど、確かに写真印刷のように受注してからプリント(生産)すれば余剰在庫はなくなるし、品切れや発注待ちといった状態も起こらなくなる。
これはあくまで理想像だが、Atlas Maxのプリントスピードと技術があれば、近づける可能性は十分にあるはずだ。
プラザクリエイトとしては、将来的にはブランドやアパレル企業を巻き込んだtoB型のビジネスを展開し、eコマースを限りなく「在庫ゼロ、廃棄ゼロ」に近い業界に導いていきたいという。
いっぽうで、デジタルやXRも含めたKornitのテクノロジーはZ世代のニーズとマッチしているという点で、toCの面においても有望だ。
「すべての人がオーダーメイドを」
Kornitが捉えるZ世代の特性は、「self expression=自己表現、人と被りたくない」、「SNSが購入体験と結びついている」、そして「サステナビリティへの関心が高い」の3点。
これらを踏まえ彼らが描く未来は、同社の言葉を借りるなら「同じアイテムを大量に作る必要はない。一人一人が個性的なオリジナルを着られるようになる」というもの。
要は、すべての人が「オーダーメイドの服を着ている」景色だ。
さすがに極論的に感じるかもしれないが、Z世代である筆者は十分に納得がいくし、Atlas Maxの性能を目の当たりにするとその将来性にも期待が持てる。
業界を先導するKornitが極東最初の拠点に日本を選んだ理由を、アジア支部代表Ilan Eladは「日本人の意識の高さと、その現実性を見越して」だと強調した。
市場規模だけみれば中国やインドに分があるが、国民のサステナビリティへの意識や、その実現に向けた行動力という点において、日本に期待を寄せているのだろう。
氏の言葉通り、日本はアジアを先導して「汚染産業」というアパレル産業の汚名を返上できるのか?「CREATIVE PLAZA HATTO」から、革新の波が広がることを願いたい。