死後1時間が経過した「豚の臓器」が復活。果たして、死の定義とは……
「死とは何か」について、改めて考えさせられるような研究結果が発表された——。
学術誌『ネイチャー(Nature)』に掲載された報告によると、死後1時間が経過した豚の臓器の復活に成功したらしい。
「OrganEx」と呼ばれるシステムで死んだ豚に代替血液を注入したところ、なんと心臓や肝臓、腎臓などの機能回復が見られたんだとか。
ただ、脳までは復活しなかったとのこと。つまり、臓器は動いても豚の意識や感覚までは戻らなかったようだ。
脳の機能は戻らないから「死」とするのか、それとも臓器は復活したから「死ではない」とするのか……。医学や科学技術の発展に伴い、死の定義を改めて考える必要がありそうだ。
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ちなみに、「OrganEx」が人間にも使えるようになると、臓器移植に役立つとのこと。臓器の長期保存が可能になれば、より多くの人が臓器提供を受けられるようになる可能性があるらしい。
死の定義や倫理的な問題などはあるものの、「OrganEx」が発展すれば救える命は増えるだろう——。
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