ゲーム内での死が臓器提供に。ベルギーのNPOがゲーマー向けキャンペーンを開始
ベルギーの非営利団体(NPO)「Re-born to be Alive」が、臓器提供者登録を促進するため、人気ビデオゲーム内で「Virtual Donors」と題したキャンペーンを開始した。
ゲーム内の死が友人を救う仕組み
このキャンペーンは、MinecraftやFortnite、Baldur’s Gate 3といった人気オンラインゲームのカスタムサーバーなどを通じて展開される。
キャンペーン用にカスタマイズされたゲーム体験では、プレイヤーがゲーム内で死亡すると、友人に最大8つの追加ライフ(残機)を与えることができるという。
これは、現実世界で1人の臓器提供者が最大8人の命を救うことができるという事実を反映したもの。
家族の反対を防ぐための登録促進
ベルギーでは、国民が自動的に臓器提供者とみなされる「オプトアウト方式」が採用されている。
しかし、本人の意思が不明確な場合、家族が提供を拒否することが可能だという。そのため、正式なドナー登録が依然として重要だと、NPO「Re-born to be Alive」は『Euractiv』の記事で主張している。
このキャンペーンは、ベルギーの視聴者をターゲットとしているが、3つのオンラインゲームのプレイヤーであれば、年齢や国籍を問わず誰でもアクセス可能とのこと。
若年層へのアプローチ
NPOの創設者であるStephanie Keustermans氏は、「私たちは、彼らの言語を話す体験を通じて、より若い視聴者にリーチしたい」と語っている。
Video Games Federation Belgiumの統計によると、Fortniteは昨年ベルギーで最もプレイされたビデオゲームであり、Baldur’s Gate 3は最もストリーミングされたゲームだった。これらのゲームは、国際的にも数百万人のデイリープレイヤーを抱えている。
現在ベルギーでは1,470人が臓器移植を待っている状況。同国は、臓器移植ネットワーク「Eurotransplant」を構成する8カ国の中で、最もドナー数(人口100万人あたり31人)が多いにもかかわらず、ドナー不足が課題となっているようだ。






