ゲーマーにとってリアルな世界は、もはや非日常

僕ら「新時代」の先行プレイ中

ゲーム界隈はメタバースの本質を
身体で分かっている

2021年後半からだっただろうか、「メタバース」という単語を含むコンテンツが急増してきたのは。

今でこそ耳に馴染んできたメタバースの実態は、多くの人がまだ掴みきれていないはず。

インターネット上に構築される“三次元仮想空間”と言われても、「Meta Quest」などのVR端末を用いて実際に体験した人は、そこまで多くないだろう。

しかしながら、Z世代の多くは無意識にこの「メタバース」に慣れてきている。

僕らは通話をつなぎっぱなしで過ごし、学生時代からZoomで授業を受け、オンラインゲームで友人たちと(出会いがリアルかネット上かに関わらず)遊んできた。

オンラインゲームの存在は、「メタバース」を語る上で重要な意味をもっている。

筆者はメタバースの本質が、仮想の三次元空間をアバターを使って闊歩することだけにあるとは思っていない。

どのようなスタイルのゲームであれ、オンライン上でその瞬間に出会った彼らと協力して、勝利を目指した時間がその魅力を教えてくれた。

現実世界では味わいにくい、正体不明な人間との濃密なコミュニケーションこそがインターネットがもたらした特徴的な試みであり、より現実世界に近いリアルタイムな関わりがここ数年で加速度を増している。

その性格を色濃く受けた、限りなくメタバースに近いサバイバルゲームなどの流行はますます顕著になっていくだろうし、コミュニケーションのスタイルがオンラインゲームを通して進化していることは明言するまでもない。

それを“メタバースらしさ”とするか、他に名付けるべきかは議論の余地があるが、途方もなく広がる空間性を感じている。

ゲーム界隈の僕らは、時代をつくっていく最先端技術の先行プレイをしているんだ。

オフライン大会は、
リアルな関わりが少ない者同士の熱量を
肌で感じるお祭り

オンラインでコミュニケーションしてきたゲーム友だちと、現実世界で会ったことはあるだろうか?

「オフライン大会」とは、普段は匿名性の高いオンラインの社会から解き放たれたゲーマーたちが集う現実世界の、いわば「お祭り」。独り画面に向かってい彼らが、普段とは異なる形で熱量を共有することができる、むしろ非日常なイベントなのだ。

私も現場に行って、なぜかソワソワしてしまった。

昨晩共に戦った“戦友”がもしかしたらいるかもしれないからだろうか、それとも画面越しにキャラクターとして認識していた彼らの生身を見る、という違和感からだろうか?

オンライン上に日常を抱える文化に生きる僕らにとって、オフラインの現場こそが非日常なワクワクを与えてくれる。

AI技術の急速な発達に伴って、ヒューマニティーとは何なのか、人間の存在意義をどのように定義するべきか議論する場面も増えた。

ここで、Z世代に問う。

現実世界での関わりと距離を置いた諸君は、面を突き合わせて何がしたいだろうか?

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。