明日誰かに話したくなる。飲食店で愛され続けてきた「マルエフ」のデザインの秘密
CMでもコンビニでも最近よく見かけるし、実際飲んでみたらまろやかでおいしいんだけど、そもそも「マルエフ」ってどんなビールなのでしょうか。
最近出たばっかりの新しいシリーズ?
レトロスタイルの雰囲気系ビール?
いえいえ。
じつは、マルエフはアサヒビールの歴史のなかでも欠かすことが出来ないくらいストーリーがあるビールで、その背景を知ってしまったらつい手に取りたくなるような “ここだけの話” がたくさんあるんです。
1900年に誕生した「アサヒ生ビール」
業績不振の時代も乗り越え……
まずマルエフ物語の始まりは、1900年まで遡ります。約120年前のお話なので、ここから先はぜひマルエフをプシュッと開けてから読んでください(笑)。
ちょうど1900年のこと。アサヒビールは日本初の熱処理を施さない瓶詰生ビール「アサヒ生ビール」を発売しました。
そこから時がたち1986年。アサヒビールは業績不振により伸び悩みの時代に入ってしまいます。今では想像できないかもしれませんが「ユウヒ(夕日)ビール」なんて言われることもあったそうです。
そんな不遇の時代に、アサヒビールの開発者たちは「不死鳥のような復活を目指す」という願いを込めて「マルエフ」という開発記号のビールの醸造に取り掛かりました。
1900年から受け継がれる「アサヒ生ビール」の伝統製法を活かしながらも、それまで苦ければ良いビールだと言われていた時代に、「コクがあるのに、キレがある」というまろやかさを兼ね備えた新しい味わいを実現。
とことんお客さんの声を聞き、お客さんが求める味と向き合い、試行錯誤を重ねた結果でした。
それが、ビールの概念を一変させた「アサヒ生ビール(通称:マルエフ)」が誕生した瞬間でした。
「マルエフ」という愛称は
いったいどこから?
そもそも「マルエフ」は開発記号としてアサヒビールの社内の一部で使われていた言葉でした。
開発陣が、復活や不死鳥を意味する「フェニックス」の頭文字から「F」を取り、マルエフと呼んでいたのですが……あれ……ちょっと待ってください。後日、フェニックスのスペルは「Phoenix」で、頭文字はFではなくPであることが判明(笑)。
今さらマルピーに変えるわけにもいかず、「幸運(Fortune)」の頭文字に由来、というエピソードに変えた、というウラ話はすでにご存知の方も多いかもしれませんね。
そんな、時代の荒波に揉まれ、紆余曲折しながら誕生した「マルエフ」が、今ではアサヒビールを代表する生ビールの愛称になったわけです。
スーパードライの爆発的人気とともに終売。
しばらく飲食店のみで愛されてきた
「アサヒ生ビール」
マルエフ誕生の翌年1987年。そのキレをさらに特化させ、辛口を重視して生まれたのがご存じ「スーパードライ」です。
そして90年代に入ると、スーパードライは爆発的な人気を見せるようになりました。アサヒビールはスーパードライに生産を集中させるため「マルエフ」の一般向けの缶の販売をストップ。
しばらく、スーパードライの陰に隠れた90年〜2000年代を過ごすことになります。
一方飲食店に目を向けると、お店側からの強い要望もあり、マルエフは樽生のみ販売されていました。つまり、缶はなくなってしまったけど飲食店ではずっと愛され続けていたのです。
そこから2021年までの約25年(四半世紀以上)は、一部の飲食店に専用サーバーが置かれ、「○○注ぎ」といったように、よりまろやかな味わいが楽しめる注ぎ方なども楽しまれながら、色々なお店の絶品料理と一緒に独自の道を歩んできました。
2021年コロナ禍。
アサヒ生ビール(通称マルエフ)缶が復活
2021年、思えばコロナ禍の影響で多くの飲食店が思うように営業できず、元気をなくしていた時期でした。
1986年当時にアサヒビールを救った「不死鳥」のように、不要不急とされたビール文化を救うベく、満を持してマルエフ缶が復活! 人々に愛され続けてきたぬくもりを感じられるビールとして、止まっていた針が動きだしたのです。
日本のみなさん、おつかれ生です。
「マルエフ」の歴史を振り返ると、スーパードライの兄貴分として生まれた「元祖アサヒ生ビール」だということが分かっていただけるのではないでしょうか。生ビールらしいまろやかな味わいや、ゆったりと楽しめる世界観は、今の時代にこそ選びたいビールと言ってもいいでしょう。
ホップのほど良い苦味と、やさしい香り。低めの炭酸アルコールでまろやかな麦の旨味が広がり、食事や宅飲みにも合う “ビールの理想形” のひとつです。
そんな「ここだけの話」が
楽しめるデザイン缶、登場!
※ 限定商品につき、予定販売数が終了次第、終売となります。また、お取り扱いのない店舗もございます。ご了承ください。
さまざまなストーリーが詰まったマルエフには、まだまだたくさんの “ここだけの話” があるんです。
フェニックスロゴにまつわる逸話や、黒生ならではのビールの楽しみ方まで、ついつい読みたくなるマルエフにまつわるエピソードが、限定デザイン缶の裏面に書かれていますよ。
たとえば、フェニックスロゴのなかに「ビール」という文字が隠されていたり、羽の枚数にもちゃんと意味があったり……。
長く愛されてきたマルエフのストーリーを肴に、今日も1日おつかれ生です🍻