離れたキミとも「脳波の同期」は起きる!

近年急速に進んだオンラインへの切り替え流れは、我々の働き方や遊び方の“当たり前”を大きく変容させた。

効率化が進んだ部分もあれば、フィジカルな情報共有の現場も大切だったと思わせられることもある。

一般に共同作業中にはお互いの脳が同調することでパフォーマンスが向上するといったポジティブな現象と関連があると言われている。

では、オンライン化が進んだことで生じる疑問として、物理的に隔てられた状況においても脳の同調は起こるのだろうか、というものだ。

 

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さて、脳波の同期を主題にした、興味深い研究データが発表された。

フィンランドのヘルシンキ大学で行われた研究によると、相手が見えないオンラインゲームでのマルチプレイでも、プレイヤー同士の脳波が同期する現象が起きていることが判明した、という。

この研究では、ハンドル操作とアクセル操作を分担してプレイするレーシングゲームを用いて、協調性が必要とされる状況のペアの脳波を測定した。

実際に共同でプレイしたペアと、実際には組んでいないダミーペアの脳波の同期レベルを比較すると、ガンマ波の同期レベルが、「瞬間的」なゲームパフォーマンスと相関しており、アルファ波の同期レベルが「平均的」なパフォーマンスと相関していることがわかった。

上記の結果から、時空間を共にしている人間との相互作用中と同様に、物理的な隔たりがある場合も脳波の同期が行われることが示された。

ひとまず、ゲームにおいては脳波の同期が起きていた。

さらに、人間がオンラインで質の高い協働を目指すにあたっては、オンラインでの協力とオフラインでの協力の差を見出す研究が盛んになっていくだろう。

Top image: © Andrea Danti/Shutterstock.com
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