薬ではなく「博物館の無料訪問」を処方される病院がブリュッセルに!

近年、人々の「メンタルヘルス」についての関心が世界的に高まりつつある。

そんななか、ベルギーのブリュッセルでは、心の健康にまつわるある興味深い取り組みが行われている。

なんでも、医師がうつ病やストレスを抱えた患者に対して、治療薬ではなく「文化施設への訪問」を処方箋として発行できるらしい。

この事業は、カナダですでに実施されている同様の取り組みを受けてはじまったもの。

無料入場の処方箋をもらった人たちは、市内にある5カ所の博物館や美術館の中から、医師と相談して決めた場所を訪れ、鑑賞することができる。

このコロナ禍では、こうした文化的な活動は長いあいだ「不要不急」と叫ばれ、中止や自粛を余儀なくされてきた。プログラムの責任者であるデルフィーヌ・オーバ氏は、「コロナウイルスは、心の健康に文化が不可欠だということを思い出させてくれた」と語っている。

また、一部の人にとっては文化施設が入りにくいものであることを指摘し、「文化施設はすべての人のためのものであると示したい」とも述べた。

もちろん美術館への訪問は、必ずしもメインの解決策となるわけではなく、あくまで人々が社会とつながるツールのひとつにすぎない。投薬や瞑想、様々な療法やライフスタイルの調整など、継続的なケアと組み合わせて実施されているという。

事業の実施期間は今年の9月中旬から約半年間となっている。本格的な実施に向けて、患者への効果や変化の分析を進めていく予定だ。

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