史上初「人間しか罹らない病気」に罹る動物が発見

一般的にも、クジラやイルカは人間に並ぶほどの高い知能を持つ動物として知られている。

それぞれを「名前」で呼び合い、はぐれると名前を呼んで探し合う生態は人間の社会とも非常に近い。

そして昨年末、さらに驚くべき研究結果が発表された。

スコットランドの海岸に打ち上げられた海獣たちを研究していたグラスゴー大学をはじめとする研究チームが、それらの個体の脳からアルツハイマー病の特徴が検出されたことを発表したのだ。

チームは人間の検査と同じ方法で、ハナゴンドウ、ヒレナガゴンドウ、ハナジロカマイルカ、ネズミイルカ、バンドウイルカの5種のハクジラ類の脳の病変を調査。

その結果、高齢のヒレナガゴンドウ、ハナジロカマイルカ、バンドウイルカの3頭から、ヒトのアルツハイマー病と同様の病変が見られたのだという。

アルツハイマー病はこれまで、高度な知能を持つ動物=すなわち“人間だけ”が発症すると思われていた病気。今回の研究は、初めて人間以外の動物がアルツハイマー病に罹ることを示した事例となった。

また、調査した22頭の個体のうち、18頭は高齢だったそう。

これは、これまで原因不明とされていた群れごと浜辺に打ち上げられていたケースについても、老いたリーダーがアルツハイマー病を患ったことで群全体が浅瀬に迷い込んだ可能性を示唆するという。

リーダーに忠実であるが故に群れごと死んでしまうとは何とも悲しい話だが、それだけの忠誠心は高度な頭脳あってこそ、と言えるかも。

イルカやクジラは、本当に人間に近いレベルの頭脳を持った動物ということが改めて分かる、革新的な研究結果だ。

科学を持たない(と思われている)彼らには、彼らなりの予防や治療法があるのだろうか?研究が進めば、動物から医療を学べる日が来るかもしれない。

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