あなたの大好きな美術館も値上げ!?
環境保護を名目に有名な美術作品を汚したり、傷つけたりする活動家の暴挙が相次いで報道されている。
イタリアの出版社「Adnkronos」はミラノで起きた、アンディ・ウォーホルがBMWのボディに描いた作品に環境活動家が小麦粉を投げつけた事件を踏まえ、違法な抗議活動を阻止する目的で、「美術館の入場料を値上げする可能性がある」と警告したことを報じた。
「我々の芸術、文化遺産を傷つける暴挙が続いているため、美術館は作品の保護を強化する必要がある」。あらゆる絵画をガラスで覆うことで保護することから始める見込みだ。
作品の保護を万全にするには巨額の費用がかかることは言うまでもなく、国の財政に負担を強いることとなるため、入場料の値上げは免れないだろう。
「私たちの芸術的・文化的遺産を傷つけるような攻撃や暴挙が続いているため、(美術館の)保護レベルを見直し、強化する必要があります」と、ジェンナーロ・サンジウリアーノ文化相は声明で述べている。
また、ドイツのポツダム起きたクロード・モネの絵画に活動家がマッシュポテトを投げつけた事件において、ポツダム検察のスポークスマンは器物損壊罪で国が起訴できるか調査中であると述べた。
絵画そのものには損傷が見られないものの額縁や天井に対する損傷を認め、器物損壊罪が成立した場合、罰金または3年以下の禁固刑が科せられる可能性がある。
今後、こういた違法性のある抗議活動が続く場合、我々が貴重な作品を気軽に目にする機会が失われる可能性がある。
拡散力の強いソーシャルメディアの力によって、倫理観にかける行為が映像として社会にインパクトを残すといった事例は、今後も絶えないのだろうか……。
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