水害時の街からの避難をリアルにシミュレーションできる「防災VRコンテンツ」
3D都市データ制作技術を活かし、「株式会社キャドセンター」が熊本県玉名市の実際の街並みを使った水害時の避難シミュレーションを体験できる防災VRコンテンツを制作した。
熊本県北部に位置する玉名市は、市の中心に流れる菊池川の氾濫による水害の歴史を重ねてきている(国土交通省九州地方整備局『菊池川河川事務局』公表データ)。
同市の依頼を受け制作されたのが今回のVR。これによって、リアルな街並みと臨場感のある水害シーンの体験を通じた災害の“自分ごと化”してもらうのが狙いだ。
©株式会社 キャドセンター
防災VRコンテンツの内容は、玉名市松木南児童公園付近の自宅にいるという設定でスタート。
外は大雨、テレビからは大雨警戒レベル4の避難指示がでているなか、避難所を目指す過程を疑似体験できる構成。
VR画面で見ることのできる映像例からもその深刻な状況が伝わる。
©株式会社 キャドセンター
©株式会社 キャドセンター
VR画面で見ることのできる分岐点で表示される選択肢の例 ©株式会社 キャドセンター
コンテンツのなかでは3つの分岐ポイントでの選択があり、自分だったらどう行動するかを考え発災時をリアルに想像しながら避難シミュレーションを体験してもらう。
2023年2月7日 に実施された、玉名市の住民に向けた防災VR体験会では
・VRゴーグルならではの没入感があった
・内水氾濫する街の様子がリアルで臨場感があった
・リアルでした。防災マップを見ておこうと意識しました
という声があがった。また、アンケートでは“VR体験が「防災意識向上」の役に立った”との回答が90%にのぼったという。
©株式会社 キャドセンター
「株式会社キャドセンター」は、今回の防災VRコンテンツの拡充とともに、VRゴーグルがなくても体験ができるブラウザでの利用やスマートフォンアプリなどでも体験を可能にする仕組みの構築を推進。
より多くの自治体などに導入もらい、体験機会が広がるのを期待しているとのことだ!
Top image: © 株式会社 キャドセンター