ダビデ像を「ポルノ」扱いした親を美術館が無料で招待。

フィレンツェの「アカデミア美術館」に収蔵されるミケランジェロの作品『ダビデ像』は、この世界でもっとも有名な彫刻作品の1つ。

16世紀に制作されたこのミケランジェロによる本作品は、旧約聖書に登場する「ダビデとゴリアテの戦い」をモチーフにされた歴史的・芸術的にも大きな評価を得ている作品である。

皆さんも見慣れているであろうこの作品、ここでダビデは全裸として象られている。

何を今更という話なのだが、フロリダ州のあるチャーター・スクールに通う親が、この像を「ポルノ作品」であると非難したらしいのだ。

「タラハシー・クラシカル・スクール」には、どうやら「物議を醸すようなこと」を教える際には、親に事前に通達しなければならないという規則があるという。この度、伝達ミスが原因で、事前に通達なくダビデ像が授業で取り扱われた。

それだけの問題に対して、ある保護者は憤慨し、ダビデ像をポルノ作品だと批判。

さらに事が大きくなり、6年生の子どもたちに許可なく像を見せてしまった校長のホープ・カラスキージャ氏は、理事会の圧力によって辞任してしまったらしい。

この事件に憤慨したのは、作品を抱える美術館の人たちだ。

アカデミア美術館のセシリエ・ホルベア館長は「ダビデ像をポルノと考えるのは、聖書の内容や西洋文化、ルネッサンス美術についてまったく理解がないということです」とコメントを寄せ、同作品のことを「ポルノ」と呼んだ親たちに、美術館へ実際に来て作品を見て欲しいと呼びかけた。

馬鹿馬鹿しい話であるが、実際に『ダビデ像』をその目で見ると、その思いは間違いなく変わるはず。

ちなみに、写真では見たことがある人も多いと思うが、実際には全長5メートルもある巨像作品。また、この像については陰部に関しても、意味がある作品となっているので、詳しい話は自身で調べてみてほしい。

Top image: © QQ7/Shutterstock.com
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。