死因の第4位は「貧困」。アメリカ社会が抱える現実
先月、アメリカの医師協会が発行する医学雑誌『Journal of the American Medical Association』に、アメリカにおける死因と貧困の関係性について記載した論文が公開された。
これによれば、「貧困」は心臓病、がん、喫煙に次いで多い死因となっているようだ。
具体的には、2019年に15歳以上の人が亡くなったケースで貧困に関連していると推定されるのは、およそ18万3000件あったそうだ。
これまでも貧困は、健康状態の悪化や早期死亡のリスクを高めることにつながっていると指摘されてきた。そして、貧困層にあたる人々は、空気や水が汚れている場所に住む可能性が高く、良質な医療にアクセスしにくい状況にあると言われている。
こうした背景を踏まえて、貧困が多くの死の一因になっていると分析されたそうだ。
今回の研究を行った研究者は、同国の格差解消に対する施策が十分ではなく、今後はこれまで以上に力を入れていくべきだと述べている。
ちなみに、この研究の元になっているデータはパンデミック以前のもの。パンデミック中に格差が広がっているという指摘もあるため、現在は18万3000件という数字も変わってきそうだ。
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