「IAS 2023」で衝撃の発表!トランスジェンダー女性のHIV感染率は一般人口の66倍……急がれる対策とシステム整備とは
先日開催された「第12回国際エイズ学会HIV科学会議(IAS 2023)」での報告により、アジア太平洋地域におけるトランスジェンダー女性のHIV感染率が一般人口の66倍も高いことが判明した。
この問題を解決するためには、「PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis、HIVに対する事前予防薬)」プログラムの整備が急務とされている。
PrEPプログラムの整備には、当事者のニーズや健康上の課題に対して理解を深めることが肝心。その上で、アクセス可能なコストやサービスの提供、医療従事者の教育や啓発など、総合的なアプローチが必要となる。
そして彼らが望むのは、無料かつ副作用のない注射や、定期的なSTI検査の提供といった条件。
IASにおけるメルボルン・セクシュアルヘルスセンターのワリッタ・ティエオサプジャロエン氏の報告では、これらの条件が満たされれば、PrEPの利用率は最大で87%まで増加するとされている。
また、文化的な背景や社会的な偏見にも配慮しながら、セクシャルマイノリティの人々がプログラムを利用しやすい環境を整えることも大切だ。
健康へのアクセスの平等化を実現すれば、トランスジェンダー女性やその他の人々の健康状態を改善し、HIVの予防に寄与できるはず。
IASでの報告を気転に、当事者の要求を満たすプログラムが開発されること、そしてアジア太平洋地域のトランスジェンダー女性のHIV感染率が低下することに期待したい。
アジアにおけるHIVの感染率、高いのは予想できますが「66倍」は衝撃的ですね……
タイやベトナムなど、アジアには一般的にトランスジェンダー文化が盛んなイメージのある国は多いですよね。この数字はあくまでもトランスジェンダー女性のものですが、他の性的マイノリティをも含めたらもっと高くなることが想像できます。
なかでも注目したいのは「当事者のニーズへの理解を深める」そして「文化的な背景や社会的な偏見にも配慮する」ということ。
以前のTABI LABOの記事でも何度か触れていますが、第三者が“こうあるべき”と押し付けて保護する制度を建てるのではなく、当事者の要望をしっかりと汲んで状況に合わせた制度を整えることは素晴らしいと思います👏