ととのうの先にある感覚を知っていますか?名古屋「KIWAMI SAUNA」
サウナーでなくても一度は耳にしたことのある「ととのう」という感覚。すでに市民権を得たこのワードだが、ではそのととのいのさらに先にはいったい何があるのだろうか?
その答えを得るべく、訪れたのは愛知県名古屋市。浅間町から徒歩1分という好立地に「KIWAMI SAUNA」はある。
「日本一ととのう、究極のサウナをつくりたい」との思いを店名に拝した「KIWAMI SAUNA」がオープンしたのは2022年12月のこと。名古屋城からほど近い浅間町、築70年の古民家を改装した同施設は、古き良き日本の伝統に最新のサウナ技術が詰め込まれた、ちょっと不思議な空間だ。
温度や湿度に加え空気の流れまで計算し尽くされたサウナ室の定員は12名。天井は低めだが、壁面に特殊ガラスを用いることで想像よりも広々と感じる。これはオーナーの徹底したこだわりのひとつ。
利用者はセルフロウリュを行うことで好みの温度や湿度に調整ができる。また、サウナ室では珍しく、室内でドリンクを飲むという体験も可能だ。
特筆すべきは水風呂。木曽川の流れをくむ超軟水は極上の肌触り。そこにほとんどの人なら頭までどっぷり浸かることができる、2mの水深にサウナー心をくすぐられた。
さて、水風呂のあとは外気浴だ。
ここでも古民家の風情が生きる。こぢんまりとはしているものの、家屋中庭にある日本式庭園を眺めながら外気に肌をさらしてまどろむというのも悪くない。
さらに先月、新たに内気浴エリアがオープンした。これがまたオモシロい。他ではまずお目にかかれない、蔵を丸ごと利用した空間なのだから。いったい、身体がどんな反応をしてくれるのか。試さずにはいられなかった。
蔵の内はストーブが焚かれ暖かい。薄暗い空間に目が慣れると、使われている襖のくたびれ感から古の時間を感じた。目新しい畳からはイ草が匂い立つ。そこへゴロンと身体をあずけ、しばしの休憩。ああ、なんだろう……この懐かしい感覚は。
訪れたのは11月末、この時期は外よりも断然、蔵がお勧め。
そうそう、満足はサウナだけにあらず。
サウナ後の空腹を満たすのは、家屋2階の「食堂きわみ」。永年、屋根の下に暮らしてきた人々を見守ってきたであろう黒檀の凛々しい梁や大黒柱に囲まれながら、サドリやサ飯に舌鼓。アジフライ定食やラムカレーといったメニューはもはや居酒屋レベル。ついつい、ここにも長居してしまうのはきっと筆者だけではないはずだ。
オープンからはや一年、全国各地から“きわみ”を求めて人々が訪れる人気施設となったKIWAMI SAUNA。だが、20代の若き経営者は現状に満足せず、見果てぬ夢を追いかける。
最高に気持ちいいサウナを目指して──。今後も進化に注目だ。
『KIWAMI SAUNA』
【住所】愛知県名古屋市西区浅間2-14-24
【営業時間】月:7:00〜23:30、火〜金:11:30〜23:30、土・日:9:00〜23:30
【定休日】無し
【WEB】https://kiwamisauna.com/