コカインとビールが出会ってしまった……ボリビア政府公認「コカビール」
世界第3位のコカイン生産国であるボリビアで、原材料である「コカの葉」から作られたビール「Coca Beer」が誕生した。
はたして、コカイン×ビールの相性はいかに……?
コカインの成分は含まれず
あくまでも、風味だけ
『AP通信』が報じたところによると、コカビールを開発したのはボリビア政府から認可を受け、長年にわたって合法的に製造・販売をしている「El Viejo Roble」蒸留所。ボリビアでもコカインの使用は違法であるため、「Coca Beer」にもコカインの成分は含まれておらず、あくまで伝統的なコカの葉の風味を楽しむためのものだという。
あくまでも、風味だけ。それにつけても“悪魔的”な組み合わせであることには違いない。いったい、どんな味がするのだろうか?
記事によると、なんでも甘いらしい。さらにコカの葉特有の香りや風味を感じることもでき、軽いエネルギー増強や覚醒効果もあるというが……。おいおい、こんなもの飲んで大丈夫なの?
ちなみに、同国ではコカイン使用は違法であるものの、原料であるコカの葉の利用は合法だそう。輸出や他国での販売は厳しく禁じられているが、古代より何世紀にもわたり生産されてきたコカの葉自体は文化的・伝統的価値として貴重に扱われている。こうした背景を活かして、ボリビアの蒸留所ではコカワインやコカリキュール、コカスピリッツなど、コカの葉をふんだんに使った商品を製造してきた。もちろん、どれもが合法で。
ボリビア政府の悲願
「世界コカイン非犯罪化」計画
さて、じつは最近になって世界保健機関(WHO)が「コカの非麻薬的利点」を評価するという発表をし、ボリビア中のコカ農家を興奮に包んだ。政府はWHOの発表を受け、さっそくコカ酒やコカ入り歯磨き粉、コカ入りベーキングパウダーなどの生産を拡大。“コカ”のイメージダウンを払拭し輸出を合法化させるべく、プロジェクトに取り組んでいる最中と聞く。実現なれば、コカの葉を非犯罪化する長いプロセスの第一歩となると政府は期待を寄せているという。
コカの葉も使いようではあるだろうが、はたして「Coca Beer」の登場により、コカの葉はこの先どう世界で受け入れられていくことになるのだろうか。
あなたはコカビール、飲んでみたい……?