温浴文化を次世代へ。老舗銭湯が仕掛ける「せんとうデビュー」大作戦

若い人からお年寄りまで、多くの人たちに憩いを与える足立区西新井の温浴施設「堀田湯」が先月23日〜26日の4日間、子どものための銭湯に様変わり。これ、子どもの「せんとう(銭湯)デビュー」を応援するイベントだったのですが、なんとコラボ相手が「森永マミー」というのだからおもしろい。

いったい、どんな「せんとうデビュー」となったと思います?

老舗銭湯が期間限定「子ども仕様」に

©森永乳業株式会社
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期間限定ながら、堀田湯あらため「マミー湯」。と言っても、ワイン風呂とかコーヒー風呂のようにマミーに首まで浸かるというわけではなかったようで。

通常よりもぬるめの温度に設定した露天風呂いっぱいに、ぷかぷかアヒルちゃん(ラバー・ダック)を浮かべたり、“はじめてのせんとう”をお祝いする暖簾を掲げたり。おなじみ銭湯絵の横には「デビューおめでとう」の装飾を施したり、洗い場で鏡を覗き込むとタオルが頭にのっかった仕掛けまで。もちろん、お風呂上がりには森永マミーをゴクリ。

親から子へ。地域から子どもたちへ
「温浴文化」の継承

©森永乳業株式会社

親子で楽しめるよう工夫を凝らした「マミー湯」を通じて、はじめての銭湯を体験したキッズたち。これがスーパー銭湯のような大型施設ならば、さもありなん。ところが、今回は町の銭湯で実施したというところにも、子どもたちの“デビュー”として意味があるように思えます。

創業80年、地元民から愛され続ける堀田湯のコンセプトは「街を温める」だとか。以前から幼児料金を設定するなど、3歳からの子どもの「せんとうデビュー」をじつは以前から応援してきたんだそう。

知育や食育、外育などと同じように「浴育」を重要視する見方もあります。親子の絆を深める機会となったり、地域での社会性を学ぶ場ととしたり。多様な人との裸のつきあいがコミュニケーションを生むこともあるでしょう。同時に銭湯ならではの入浴マナーも早いうちから学んでおく機会にも。

歴史ある温浴文化がずっと続いていくように。親も子も、そして町も丸ごと温めてくれる素敵なイベントではないでしょうか。

Top image: © 森永乳業株式会社
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