「使用済みの紙おむつ」からできたトイレットペーパー、鹿児島で発売中

使用済みの紙おむつ。再利用やアップサイクルはさすがに難しそうだが……それを生まれ変わらせた、“目から鱗”のトイレットペーパーが完成した。

「使用済み紙おむつ」を再利用
未使用パルプと同等の安全性に

©一般社団法人大崎町SDGs推進協議会

鹿児島県・大崎町と志布志市、「有限会社そおリサイクルセンター」そして「ユニ・チャーム株式会社」の4者協定によってスタートした使用済み紙おむつの水平リサイクル

大崎町と志布志市の埋立処分場に集められるゴミのうち、重量比で約20%が紙おむつだそうで、埋立処分場の延命化に向けて促進すべき取り組みでもあったという。

まず開始したのが、紙おむつからパルプを取り出しリサイクルすること。このためにユニ・チャームが発表した世界初の技術を用いて分別試験収集を開始。2020年の試験開始から4年間の試行錯誤の後、大崎町と志布志市での資源ごみとしての正式回収が始まったのが今年4月のこと。

集められたおむつは、そおリサイクルセンターで洗浄・分離し、取り出したパルプに独自のオゾン処理を施して、排泄物に含まれる菌の死滅に成功。未使用パルプと同等に衛生的で安全なパルプを生成し、それを配合したトイレットペーパーの生産が実現に至った。

地産地消への願いを込めたパッケージ

パッケージにも思いを込めた。

グラデーションをかけたカラーは、大崎町および志布志市の市町村章の色あいを取り入れた。地域で回収した資源ゴミを再活用し、商品が再び地域で利用される「地産地消」への願いを込めたんだそう。

商品裏面には、使用済み紙おむつのリサイクルの取り組みについての説明図を掲載するなど、手に取ってくれた人たちにも、取り組みを詳しく知ってもらえるきっかけを提供する仕掛けもいい。なお、同商品は8月から鹿児島エリアですでに発売されている。

Top image: © 一般社団法人大崎町SDGs推進協議会
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