投資熱高まる日本列島:都道府県別に見る「投資県民性」
2023年、日本は経済政策の一つとして「貯蓄から投資へ」を掲げた。
投資と聞くと株式投資や不動産投資などの“難しそうなイメージ”があるが、実際はNISAなどの気軽に実践できる投資もあり、人々の関心は高まりつつある。現に今年、金融庁が発表した調査結果によると、金融商品に対する投資経験者は72.0%にものぼった。
では、地域別に見たときに投資に積極的な地域、あるいはポテンシャルを秘めている地域はどこになるのか。
ネット不動産投資サービス「RENOSY(リノシー)」が、20〜60代の男女9169人を対象に実施した「47都道府県別の投資意識と実態調査2024」の結果を見ていこう。
実践率は大都市
ポテンシャルは地方にアリ?
まず、今の時点で投資をおこなっている人の割合だが、これは東京都が唯一の過半数越えで53.8%、続いて愛知県が49.0%とトップ2は大都市。逆に最下位は秋田県の25.9%、ワースト2位は青森県の27.7%と、地方での実践率は低め。
次に、投資額について。
現在、投資をおこなっていると回答した人のなかで「2024年に100万円以上投資した」と回答した割合がもっとも高かったのは、なんと奈良県(24.7%)。投資している人の約4人に1人が年間100万円以上をつぎ込んでいるという事実が。また、2位が先に紹介した投資率で最下位だった秋田県(23.1%)、3位が山梨県(23.0%)と続く。
ちなみに、総資産額の回答でもおもしろい結果が出ている。
総資産10億円以上との回答率で、東京都(1.6%)をおさえてトップに立ったのは山口県(2.5%)という結果に。
最初に紹介した現在の投資率でも、3位は香川県の46.3%となっており、分母の数でいえばやはり首都圏が大きいが、投資額や総資産といった秘めたポテンシャルは地方にある。
……と読み取ることもできる結果だ。
また、投資をする上でもっとも重要なポイントについて、「ハイリスク・ハイリターンであること」「ミドルリスク・ミドルリターンであること」と回答した割合がもっとも高かったのは東京都で前者が11.6%、後者が17.1%という数値だった。
いっぽうで「ローリスク・ローリターンであること」の1位は岐阜県(21.9%)、「手軽さ」の1位は山梨県(28.2%)、「節税効果が見込めること」の1位は富山県(17.0%)となり、いずれも全体より8ポイント以上高い回答率となっている。
投資の形は人それぞれで、ここには県民性が表れているようにも感じられる。総じて、都市部のみならず、地方までも投資への関心が高まっていることを示す、興味深い結果となった。