愛猫の言葉、聞き逃してない? 猫の表情は「276通り」もあることが判明
「猫はツンデレ」なんて言われることもあるが、実際あの気まぐれな行動の裏に隠された真意を理解できている人は、どれだけいるだろうか?
じつは、猫は私たちが思っている以上に雄弁なのかもしれない。最新の研究により、猫の顔には276種類もの「表情」があることが判明。そこには私たちへのメッセージが隠されていた……!
猫の表情は、1万年かけて
人間に近づいた証
「National Geographic」によると、猫が見せる表情はこれまで考えられていた以上に多様で複雑であるという。なんと、その数276種類。これは、犬の表情の種類が約10種類、人間の表情の種類が約20~30種類と言われているのと比較しても圧倒的に多い。
この研究を率いたのは、比較進化心理学者のブリタニー・フロルキェヴィチ氏。彼は「猫は人間と1万年以上にわたって共存してきた歴史のなかで、コミュニケーションツールとして豊かな表情を獲得した可能性がある」と指摘する。つまり、私たちが何気なく目にしている愛猫の表情は、長い年月をかけて人間との絆を深めるために進化した結果であるということだ。
最新研究、舞台はまさかの「猫カフェ」
フロルキェヴィチ氏の研究チームは、53匹のアメリカンショートヘアを対象に、194分にも及ぶ綿密な観察を行った。その舞台となったのはLAにある猫カフェ「CatCafe Lounge」。リラックスした状態で猫同士が触れ合う自然な姿を通して、猫の表情を分析したという。
その結果、彼らは耳、目、口、ヒゲといった顔のパーツを巧みに使い分けることで、276種類もの表情を作り出していることが明らかに。ちなみに、46%は「友好的」な表情、37%は「非友好的」な表情、そして残りの17%は「どちらともいえない」表情に分類されたそうだ。
猫の心を覗き見?
「猫語翻訳機」に期待大
「猫の気持ちがもっと理解できたらいいのに……」そう願う飼い主は多いだろう。フロルキェヴィチ氏も「猫の表情を理解することは、猫との生活をより豊かにするだけでなく、動物福祉の向上にもつながる可能性がある」と語る。
たしかに、動物保護施設では猫の表情からストレスや不安のサインをいち早く察知することで、より適切な飼育環境を提供できるようになるかもしれない。さらに、動物病院では猫のわずかな表情の変化を読み取ることで、病気の早期発見や治療にも役立つ可能性も。
近年、AI技術を用いて動物の感情を分析する研究は着実に進んでいる。今回の研究成果は、将来的に「猫語翻訳機」といった夢のようなデバイスの開発に貢献できることだろう。愛猫の気持ちを正確に理解できる日が来るのも、そう遠くない未来かもしれない……。
👀 GenZ's Eye 👀
猫が行う言葉のいらないコミュニケーションは、空気感やノリを重視する私たちにも通ずるものがあります。人との交流の方法も多様化する現代において、“表情でつながる”ことが新たなコミュニケーション手段となるのでしょうか?