サントリー、渾身の最新「RTD」でアメリカ市場に殴り込み!
「サントリーホールディングス株式会社」が、2025年、新たな挑戦に乗り出す。舞台は、世界最大のRTD(Ready to drink)市場であるアメリカ。
今月、“東京のネオン街”をイメージしたRTD新ブランド「MARU-HI」が、カリフォルニアでベールを脱ぐ。
満を持してアメリカ市場に投入するのは、新感覚RTD「MARU-HI(マルハイ)」。日本でお馴染みの柑橘系フレーバーに、東京のネオン街を彷彿とさせるスタイリッシュなパッケージが目を引く。
巨大市場アメリカを席巻する
「FMB」という存在
「MARU-HI」が属するのは、「Flavored Malt Beverages (FMB)」と呼ばれるアルコール飲料のカテゴリー。日本では聞き慣れない言葉かもしれないが、FMBは、ビールよりもフルーティーで飲みやすい味わいが特徴で、近年アメリカを中心に人気を博している。
たとえば、アメリカの若者の間では、ハードセルツァーと呼ばれる低アルコールでフレーバー豊かなFMBが一大ブームとなっている。市場調査会社「ニールセン」によれば、2020年のハードセルツァー市場規模は41億ドルを超え、前年比で2倍以上の成長を遂げている。
ターゲットは、流行に敏感なアメリカの若者世代だ。100年以上におよぶ洋酒づくりの経験と、日本のRTD市場を牽引してきたノウハウを持つサントリー。果たして、その挑戦が成功するか注目だ。
Z世代の心を掴む
「エモい」がキーワードのマーケティング戦略
「MARU-HI」成功の鍵を握るのは、やはりアメリカ市場におけるZ世代の心を掴むことができるかどうかだろう。
従来の世代とは異なる価値観や消費行動を持つと言われている、デジタルネイティブのZ世代は、SNSを通じて情報収集や商品購入を行うことに抵抗がない。また、個性や独自性を重視し、自分自身の価値観に合った商品やサービスを積極的に選ぶ傾向がある。
パッケージデザインからも、Z世代やミレニアル世代といった若年層をターゲットにしていることが伺える。東京のネオン街をモチーフにしたスタイリッシュなデザインは、日本のアニメやゲーム、ファッションといったポップカルチャーにも親しみを持つ彼らにとって、クールで斬新な印象を与えるだろう。
「ジャパニーズ・クラフト」が
世界を席巻する日
「MARU-HI」の挑戦は、単に一つのブランドが成功するかどうかという次元を超えた、大きな意味を持つように思えてならない。世界で存在感を増す「ジャパニーズ・クラフト」の波に乗ることができるかどうかの試金石。
近年、クラフトビールやクラフトジンなど、職人のこだわりが光る高品質な日本発の酒が、世界中で注目を集めている。「前例にとらわれないサントリーならではの新価値創造を米国のFMB市場でも実現し、大きなプレゼンスを獲得していきます」とは、サントリーRTDカンパニー社長・仙波匠氏のコメント。
サントリーが長年培ってきた技術とノウハウを結集し、ジャパニーズ・クオリティを追求した「MARU-HI」。世界で勝負をかけるサントリーの2025年の挑戦は、始まったばかりだ。