TikTok発「No Buy January」がZ世代に突きつける、消費のリアル
「新しい年は、無駄を減らして賢く生きたい」。そう思いつつも、セール情報やSNSの広告につい惹かれてしまう人も多いのでは? そんな中、海外で話題となっているのが「No Buy January」、つまり1月は余計なものを買わないチャレンジだ。節約やサステナビリティへの意識が高まる今、改めて自身の消費行動を見つめ直す機会として注目されている。
TikTok発「No Buy January」ってどんなチャレンジ?
「No Buy January」とは、その名の通り1月中は生活必需品以外の購買を控えるチャレンジ。金融プラットフォームAllyは「No Buy January」を、「食料品、家賃、光熱費など、生活必需品のみを購入し、スキンケアや外食など、それ以外の不要なアイテムへの支出を一定期間控えること」と定義している。
近年、世界的なインフレーションやサステナビリティへの意識の高まりから、節約や無駄をなくす生活スタイルが浸透しつつある。「No Buy January」は、こうした社会的な風潮を背景に、TikTokを通じて拡散された。
「~core」の波は止まらない。 TikTokは消費を加速させる?
皮肉なことに、「No Buy January」が流行する一方で、TikTok自体が消費を加速させる側面も持っている。2024年に導入されたTikTok Shopは、アプリ内で商品を購入できる機能だ。この機能の登場により、ユーザーはこれまで以上に大量の商品やサービスに触れ、購買意欲を刺激される機会が増加した。
「次から次へと新しい“~core”が出てきて、消費を煽っている気がする」「おすすめに流れてくる似たようなアイテムが多すぎる」。Hypebaeの記事では、TikTokユーザーから、こうした懸念の声が上がっていると紹介されている。
さらに、あるインフルエンサーが、高品質でサステナブルな服を買う代わりに、1,200米ドルもする服のレンタルを勧めていた事例も。このインフルエンサーの投稿には、「そんなに高額なレンタルをするなら、いっそ買った方が良いのでは?」「インフルエンサーの金銭感覚がズレている」といった批判が殺到し、炎上騒動にまで発展した。
「No Buy January」は、自分と向き合う1ヶ月
「No Buy January」は、単なる節約チャレンジにとどまらない。衝動買いが多い人も、そうでない人も、この機会に自身の消費行動と向き合ってみてはどうだろうか。
Hypebaeの記事では、「No Buy January」を成功させるための5つの秘訣が紹介されている。
- 断捨離で、本当に必要なものを見極める
- ハードルは低く、「できるところから」スタート
- 購買意欲を刺激するメールマガジンは「さよなら」
- 欲しいものリストで、本当に欲しいか「自問自答」
- 新しい趣味で、買い物以外の「楽しみ」を発見
これらの秘訣を参考に、自分にとって無理のない範囲で「No Buy January」を実践してみてほしい。1ヶ月後には、お金の使い方だけでなく、自分自身の価値観や本当に大切なものが見えてくるかもしれない。