今、アイスの人気フレーバーは「チリ味」? デザート市場の最前線
近年、食品業界では意外性のあるコラボレーションが増えている。
国内外を問わず顕著な傾向だが、最近特に目立って来ているのが、米国の著名ブランドが相次いで新たなアイスクリーム商品を発表していること。
相次ぐ新商品の中から、その傾向と狙いを見てみよう。
相次ぐ著名スナックブランドのアイスクリーム展開
今年1月、アメリカの有名シリアルメーカーであるケロッグ傘下のKellanovaが、Golden West Food Groupとライセンス契約を締結したと報じられた。目的は、誰もが知るワッフル「Eggo」と、マシュマロ菓子「Rice Krispies Treats」の名を冠したアイスクリームを発売するため。
「Eggo」は、アメリカで絶大な人気を誇る冷凍ワッフルで、同じく「Rice Krispies Treats」もシリアル「Rice Krispies」を使った、子どもから大人まで親しまれている定番のお菓子。
また、こうした動きを見せるのはKellanovaだけではない。2022年には、世界最大級の菓子メーカーであるMondelēz Internationalが「オレオ」のアイスクリームを発売し大きな話題に。
また、チョコレート菓子でお馴染みのMars Wrigleyも、「Snickers」や「M&M's」をアイスクリーム市場へと進出させている。
「スパイシーなアイス」もトレンドに。進化する“体験型”の消費傾向
一方、オハイオ州を拠点とするGraeter's Ice CreamとSkyline Chiliは、ユニークなコラボレーションとして「Skyline Spice」アイスクリームを発表した。
この限定フレーバーは、Graeter'sのクリーミーなフレンチポットアイスクリームに、Skyline Chiliのシグネチャースパイスミックスとカリカリのオイスタークラッカーを組み合わせたもので、甘さとスパイシーさが調和した独特の味わいが特徴。
甘いアイスクリームとスパイシーなチリという、一見するとミスマッチな組み合わせだが、近年消費者の間では、味の組み合わせの意外性や、写真映えする見た目の面白さなど、“体験型”の消費が重視される傾向にあります。
チリ風味のアイスクリームは、まさにそういったニーズを捉えた商品と言える。
食品業界におけるブランドコラボレーションの潮流
アイスクリームは、老若男女問わず愛される、定番のデザートでありながら、
これらの動きは、消費者の興味を引くためのブランド間のコラボレーションが増加していることを示す例だ。
馴染みのある製品の組み合わせは、新たな市場を開拓し消費者に新鮮な体験を提供できる。Kellanova社のような大手企業がアイスクリーム市場に参入することは、競争の加速による革新が期待できるだろう。
日本でも、海外ブランドの参入やコラボを通した新商品開発が進めることで、アイスクリーム市場はさらなる可能性を拓くかもしれない。