復刻版「ファンタ マスカット」がZ世代のハートをがっちり掴んでいるらしい

平成生まれには懐かしく、Z世代には新しい。そんな体験を同時に味わえるドリンクがある。3月17日より、期間限定で復刻発売されている「ファンタ マスカット」。もう試した?

Twitter投票で決まった
国民待望の復刻劇

今回の復刻劇、じつはファン投票が決め手となった。

「日本コカ・コーラ株式会社」によると、同社が2025年2~3月に実施した「#みんなで選ぶ復刻ファンタ」キャンペーンで、見事1位を獲得。1992年の発売当時から根強い人気を誇り、これまで100種類以上の期間限定フレーバーを世に送り出してきた「ファンタ」の歴史の中でも、特に復活を望む声が大きかったフレーバーだったようだ。

単なる懐かしさだけじゃない
「復刻」が意味するもの

近年、若年層を中心に、昭和レトロブームが再燃。食品業界では、懐かしの味を復刻した商品が人気を集めるなど、消費者の“エモさ”を刺激するマーケティングが注目されている。

「ファンタ マスカット」の復刻も、この流れを汲むものと言えるだろう。しかし、単なる懐かしさだけで終わらないのが、今回の復刻の興味深い点。1990年代は、バブル崩壊後の経済停滞期ではあったものの、若者文化が花開いた時代。渋谷系音楽やストリートファッションなど、現代のトレンドにも通じる文化が生まれたのもこの時期だ。

当時を知る人には懐かしさを、そしてZ世代には新鮮な魅力を提供する1990年代のデザインを踏襲したパッケージも、今回の復刻の特徴と言えるだろう。

さらに、SNSの普及により、企業と消費者の距離が縮まっていることも見逃せない。今回の復刻も、消費者参加型のキャンペーンがきっかけとなって実現した。これは、企業が一方的に商品を開発するのではなく、消費者の声を積極的に取り入れる「共創マーケティング」の好例と言えるのではないだろうか。

懐かしさと新しさが共存する「ファンタ マスカット」の復刻は、単なるノスタルジーに留まらない。時代を超えて愛される商品の魅力と、現代のマーケティングトレンドを同時に感じることができる、貴重な機会になりそうだ。

Top image: © 日本コカ・コーラ株式会社
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。