「本当の自分」と出会う50の質問。話題の「セルフケアカード」って?

めまぐるしく移り変わる現代に、漠然とした不安や疑問を抱えている人も少なくないはず。

そんな時代だからこそ、意識して「自分と向き合う」時間を持つことの価値は、かつてなく高まっている。そのための新しいアプローチとして、アナログなカードゲームというユニークな形をとったセルフケアツールが、いま静かな注目を集めている。

「セルフケアカード」がくれる
自分と対話する時間

株式会社セキララカードから、先月発売された「セルフケアカード」。その名の通り、自分自身を深く知り、ケアするためのカードゲームだ。カードに書かれた問いに答えることを通じて自己理解を深め、日々の感情や思考を整理する手助けとなることを目指して開発されたという。

収録されているのは、全50枚のカード。そこには「いちばんエネルギーが湧いてくるのはどんなとき?」「10年後、どんな自分になっていたい?」といった、過去・現在・未来、そして仕事や人間関係など、多角的な視点からの問いが、日本語と英語の両方で記されているのが特徴。一人で静かに内省を深める時間にも、あるいは友人やパートナーとの対話のきっかけとしても、その使い方は自由。

開発の背景には、制作者自身の「自分の好きなことが分からない」「何をしているときに楽しいと感じるのか分からない」といった切実な悩みがあったらしい。

同社は「まずは『自分を知る』ことをしないと始まらない、と強く感じたことがきっかけだった」と語る。「自分を知る」という普遍的かつ根源的なテーマに対し、カードゲームという遊び心を取り入れた手法でアプローチした点が、このプロダクトの独自性といえるだろう。

©株式会社セキララカード

“心のケア”が日常になる時代の
潮流とアナログの価値

メンタルヘルスケアの重要性が叫ばれて久しい。たとえば、市場調査会社の株式会社グローバルインフォメーションのレポートによれば、世界のメンタルヘルスケア市場は2023年に約4100億米ドル規模であり、33年には5730億米ドルにまで成長すると予測されている。この数値は、いかに多くの人々が心の健康を意識し、具体的なサポートやソリューションを求めているかの証左ではないだろうか。

日本国内でも、セルフケアへの関心は高まっている。第一三共ヘルスケアが実施した調査によると、ビジネスパーソンのセルフケア認知率は77.5%にのぼり、特に新社会人にいたっては半数以上が何らかのセルフケアを実践しているという。SNSでは「Cozymaxxing」のような新しいセルフケアトレンドが生まれるいっぽうで、「セルフケアカード」のような手触りのあるアナログなツールの価値もまた、見直されつつある。

実際に、アナログゲーム市場も堅調な動きを見せている。株式会社矢野経済研究所の調査では、2023年度の国内テーブルゲーム市場規模は前年度比5.0%増の75億4000万円と推計されており、24年度もさらなる成長が見込まれる。デジタルデバイスに囲まれた日常だからこそ、温かみのあるカードを介したコミュニケーションや、自分自身との静かな対話が、新鮮で価値ある体験として受け入れられているのかもしれない。

こうした状況を鑑みると、「セルフケアカード」のような、深刻な状態に陥る前に手軽に自己理解を促し、日常的に心のメンテナンスを行えるツールは、ひとつの有効な選択肢となりうるのではないだろうか。

50の“問い”が羅針盤に
セルフケアの新習慣

「セルフケアカード」が私たちに提供するのは、単なる暇つぶしのためのゲームではない。それは、自分自身という、もっともおもしろく、そしてもっとも複雑で愛おしい存在と、深く向き合うための「鍵」。一枚一枚のカードに込められた問いは、普段、意識の奥底にしまい込んでいる素直な感情や、まだ明確な言葉になっていない思考を、そっと表面に引き出す手助けをしてくれるだろう。

「最近、いちばん感動したことは?」「どんなときに『自分らしい』と感じる?」――これらの問いに、絶対的な正解は存在しない。大切なのは、その問いをきっかけとして自分自身と真摯に対話し、そこから何を感じ取り、何を考えるか、そのプロセスそのものにある。

内省の時間を、もっと身近で、もっと気軽なものへと変えてくれるカードゲーム。紡ぎ出す50の問いを道しるべに、自分だけの物語を丁寧に編み上げてみては?

©株式会社セキララカード

セルフケアカード

【公式サイト】https://sekiraracard.com/

Top image: © 株式会社セキララカード
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