マッチングアプリが“リアル”な恋愛を文学に。著名作家も参画Hingeの『No Ordinary Love』

マッチングアプリでの出会いは、本当に特別な愛に発展するのか。そんな問いに、一つの答えを示すキャンペーンが始まった。

マッチングアプリのHingeが立ち上げた『No Ordinary Love』。

これは、アプリで出会ったカップルのリアルな恋愛模様を、現代作家たちの手で物語として紡ぎ出すという、ユニークな試みだ。

5組のリアルな恋愛を「文学作品」へ昇華

このキャンペーンの核心は、実際にHingeで出会った5組のカップルのラブストーリーを、5人の現代作家が一人称視点の物語として書き起こすという点。

嬉しい誤解、すれ違う気持ち、自信のなさ。デートの初期段階で誰もが経験するであろう心の揺れ動きを、男女双方の視点から交互に描く。

例えば、Jen Winston氏が書いた物語では、自由気ままな初デートの楽しさと、元恋人との複雑な関係性が対比される。

また、Hunter Harris氏の作品は、理想の条件を全て満たしてはいない相手に惹かれていく心の葛藤を探るという。完璧ではない、むしろ不器用な恋愛の過程をありのままに描く。

© 2025 Hinge

メディア・書籍両軸で届けるZ世代へのメッセージ

この物語は、まずWebメディアのSubstackで週刊連載として公開される。

著名な作家Roxane Gay氏が序文を寄せるなど、その本気度がうかがえる。HingeのCMO、Jackie Jantos氏は、「Substackは恋愛に関する有意義な議論の場。そこに私たちの誠実な物語を届けるのは自然な流れ」と語る。

Z世代が既に集う場所で、彼らに響くストーリーテリングを模索した結果なのだろう。

さらに、この物語のアンソロジーは限定版のハードカバー書籍としても出版される。制作は、クリエイティブエージェンシーのDazed Studioが担当。

ニューヨークやロンドンのブッククラブに配布し、人々が集い、物語について語り合う場も提供するという。

© 2025 Hinge

「削除されるため」というブランド哲学の体現

このキャンペーンは、Hingeが掲げる「Designed To Be Deleted™(削除されるためにデザインされた)」というブランド哲学を体現するもの。

うまくいかないかもしれない不安や、予期せぬ心の動き。そうした恋愛のリアルな側面を肯定的に描くことで、アプリを使う人々に寄り添い、勇気を与える。

広告の枠を超え、文学という手法でユーザーとの新しい共感関係を築こうとする、野心的な挑戦だ。

© hinge/Instagram

『NO ORDINARY LOVE』デジタル版はこちらのリンクから。無料で閲覧可能。

Top image: © 2025 Hinge
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