北九州市、Z世代のアイデアに最大300万円を補助する「Z世代はみ出せコンテスト2025」
「周りの目なんか気にするな、はみ出せZ世代」。そんな挑発的なメッセージと共に、若者の自由な発想に本気で向き合うプロジェクトが再始動した。
福岡県北九州市が主催する『Z世代はみ出せコンテスト2025』は、街を舞台にした斬新なアイデアを全国の若者から公募し、その実現を街ぐるみで支援する取り組みだ。
アイデアを形にするための全面的な支援体制
このコンテストが提供するのは、最大300万円という破格の補助金だけではない。むしろ、その真価はアイデアの種が芽吹き、形になるまでの手厚い伴走支援にあるといえるかもしれない。
対象となるのは、全国の15歳から29歳までのZ世代。個人でも団体でも応募が可能で、若者ならではの新規性・独創性があり、かつ北九州市の盛り上がりにつながる事業であれば、その内容は問われない。
応募を考える段階から、専門家によるワークショップや相談会が用意され、ぼんやりとした着想を具体的な企画書へと磨き上げるプロセスをサポート。
コンテストで採択された後も、各分野の専門家がアドバイザーとして伴走し、アイデアの実現までを力強く後押ししてくれる。
資金面だけでなく、知識や人脈といった無形の資産も提供することで、挑戦へのハードルを極限まで下げようという市の強い意志が感じられる。

VR成人式からコーヒー園まで昨年度の採択プロジェクト
昨年度に開催された第1回コンテストでは、29件の応募の中から3つのユニークなプロジェクトが採択された。
その一つが、ド派手なことで全国的に知られる北九州市の成人式をVR空間に再現し、リアルとバーチャルを融合させたイベントを開催する「もっとド派手に!北九州市成人式 in VR」。
また、耕作放棄地を活用して国産コーヒー豆の生産に挑み、若者の農業参画と新たな名産品創出を目指す「小倉珈琲園プロジェクト」や、次世代の福祉とモノづくりを繋ぐため、ロボット工学のラボ設立やフェス開催を企画する「Z-Care Future」など、いずれも若者の視点ならではの、既成概念にとらわれないものばかりだ。
これらの実績は、これから応募する若者たちにとって、アイデアの可能性を押し広げる道標となるだろう。



挑戦が生まれる土壌を育む
実際に採択された参加者からは、「市役所が伴走してくれる安心感があった」「同じ思いを持つ同世代や他業種の人と繋がり、視野が広がった」といった声が上がっているという。
このコンテストは、単に資金を提供するだけでなく、挑戦する若者のコミュニティを育み、成功体験を通じて自信を植え付ける役割も担っているようだ。
「日本一若者を応援するまち」を目指す北九州市。その本気度が、このコンテストには凝縮されている。頭の中に眠る突飛なアイデアこそ、この街が求めているものなのかもしれない。






