入れ歯をネットで買う時代へ。フルデジタル設計の部分入れ歯がクラウドファンディングで目標249%達成

入れ歯に対して、多くの人が抱くのは「目立つ」「違和感がある」といったネガティブなイメージかもしれない。

しかし、そんな常識をテクノロジーの力で覆そうとする試みが、大きな注目を集めているようだ。オーガイホールディングスが開発した次世代型部分入れ歯が、クラウドファンディングで多くの支援を獲得した。

まるで自分の歯、フルデジタル設計の部分入れ歯

Makuakeで話題となったのは、フルデジタル技術を活用した部分入れ歯『Cloud Fit』。

これは、歯が1〜2本欠損した人向けの、極薄・透明・軽量なマウスピース型の製品だという。

従来の金属バネ付き義歯が持つ課題の解決を目指し、透明素材の採用によって口を開けても気づかれにくい自然な見た目を実現。重さも従来品より50%以上軽く、まるで雲のような装着感を目指したそう。

そのフィット感の背景には、3DスキャンやCAD/CAMといったフルデジタル技術がある。

一人ひとりの口腔内に合わせて精密に設計・製造されるため、高い適合性が期待されるとのこと。さらに、夜間用のナイトガードとしても使える抗菌ナイトモデルも展開されるなど、利用者のライフスタイルに寄り添う工夫が見て取れる。

© オーガイホールディングス株式会社
© オーガイホールディングス株式会社
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社会課題への共感が支援に

「入れ歯をネットで選ぶ」という前例のない挑戦として始まったこのプロジェクトは、2025年4月18日から7月14日にかけて実施。

開始わずか3日で目標金額の100万円を達成し、最終的には249万1,320円、達成率249%という大きな反響を呼んだ。

この成功は、製品そのものへの期待はもとより、プロジェクトが向き合う社会的な課題への共感が大きな要因となったようだ。

高齢化が進む社会、そして歯科技工士不足という現実の中で、「噛めること」「食べること」の意味を再定義しようとする姿勢が、多くの支援者の心を動かしたのかもしれない。

© オーガイホールディングス株式会社

オーガイホールディングス代表取締役社長兼CEOの野田真一氏は、入れ歯を「“仕方なく使うもの”から、より快適で前向きに選ばれる存在へと再定義する」ことがこの製品の狙いだと語る。

医療・技工分野では異例となる今回の支援は、「本当に必要としている方々」の声が存在する証だと受け止めているようだ。

また、同社代表取締役副社長で歯科医師・医学博士でもある長縄拓哉氏も、前例のない挑戦への多くの応援に感謝を示すとともに、ニーズの大きさを実感したとコメントしている。

今後は、全国の信頼できる歯科クリニックとの連携を進め、より多くの人が『Cloud Fit』を利用できる環境を整えていくという。公式サイトでは、ギフトとして入れ歯を贈る「ギフトデンチャー」といった構想についても、随時案内していく予定とのことだ。

・Makuakeプロジェクトページ
https://www.makuake.com/project/cloud-fit/

・プロジェクト開始時のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000144216.html

 

Cloud Fit ピース公式サイト

https://cloud-fit.ddrs.jp/ 

 

医療機関向け情報

https://for-clinic.densmile.jp/ 

Top image: © オーガイホールディングス株式会社
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