「職場での裸足」が海外でトレンドに?生産性向上の鍵か、あるいは新たな課題か
シリコンバレーのスタートアップ企業を中心に広がりを見せていた「靴を履かない職場」というトレンドが、英国にも広がり始めているようだ。
リラックスしたドレスコードが生産性を高めるという意見がある一方、衛生面や安全面での懸念も指摘されている。
パフォーマンスとインクルージョンへの期待
靴を履かないことで、より集中力が高まり、最高のパフォーマンスを発揮できると考える人々がいる。
靴という物理的な障壁がなくなることで感覚が研ぎ澄まされ、仕事に深く没頭できるという。
特に、神経多様性を持つ人々にとっては、足からの感覚入力が心地よさや安心感につながり、職場で能力を発揮しやすくなるという感覚的なメリットも指摘されている。
こうした観点から、小さな調整がインクルーシブな職場環境の実現に繋がる可能性も示唆される。
衛生面と安全面における懸念
一方で、このトレンドには衛生面や安全面のリスクを懸念する声も上がっている。
具体的には、床の衛生状態の維持、転倒や落下物による怪我、そして火災警報時などの緊急避難といった課題だ。
そのため専門家は、受付や階段、キッチン、トイレなど、衛生や安全が特に求められるエリアでは靴の着用を義務付け、「自分のデスクでのみ靴を脱ぐ」といった部分的な導入が現実的な解決策ではないかと提案している。
また、他人の素足に不快感を覚える人もいるため、心理的な側面への配慮も必要だという。
成功の鍵は選択の自由と明確なルール
専門家たちが共通して指摘するのは、この制度を導入する際の「選択の自由」の重要性。
決して全従業員に強制するものであってはならず、あくまで個人の選択に委ねられるべきだという。
その上で、企業側は明確な衛生基準を設け、足の安全を確保するためのルールを定める必要がある。
なぜこのポリシーを導入するのかという目的を従業員と共有し、共感を得ながら進めることが、新しい働き方として定着させるための鍵となるかもしれない。






