生理用下着を“制服化”。欠席を減らす新たな教育アプローチ

ラテンアメリカでは、生理用品へのアクセス不足や根強いタブー意識により、女子生徒の4人に1人が定期的に学校を欠席しているとされる。

家庭内でも生理について話題にしづらい環境があり、必要な支援を求めにくい状況が続いてきた。

その結果、漏れへの不安や羞恥心から登校を控えるケースが生まれ、学習機会の損失や将来の選択肢にも影響を及ぼしていると指摘されている。

制服に組み込むという発想の転換

こうした課題に対し、コロンビアで新たに始まったのが、生理用下着を学校制服の一部として組み込む「Period Uniform」という取り組みである。

このプロジェクトはSomos Martinaが主導し、教育省の支援のもとで導入が進められている。従来のように一時的に生理用品を配布するのではなく、制服という既存の仕組みに組み込むことで、継続的かつ確実なアクセスを実現する狙いがあるという。

制服が平等性を象徴してきた制度であることを踏まえ、生理ケアもその一部として標準化する発想は、従来とは大きく異なるアプローチといえそうだ。

心理的ハードルを下げる“仕組み化”

この取り組みのもう一つの重要な側面は、生理に関する心理的ハードルを下げる点にある。

学校側が保護者に対して必要アイテムとして通知することで、生徒自身が説明したり頼んだりする負担が軽減される構造になっている。

その結果、生理ケアが特別なものではなく「当たり前の準備」として扱われるようになり、羞恥や遠慮といった感情の緩和につながる可能性があると考えられている。

制度として組み込むことで、個人の問題から社会全体の課題へと視点を転換する効果も期待されているようだ。

教育と健康を両立する新モデルへ

生理用下着は最大12時間の保護が可能で、長時間の学校生活にも対応しやすいとされる。繰り返し使用できるため、長期的には使い捨て製品よりもコスト面・環境面の双方でメリットがあると専門家は指摘している。

また、肌への刺激が少なく扱いやすい点から、若年層にも適した選択肢とされており、教育現場への導入との相性も良いと考えられている。

この取り組みは現在、Institución Educativa Mayor de Mosqueraでの導入を皮切りに拡大が進められており、今後はより多くの学校への展開が視野に入っている。

生理を理由に学びの機会を失わせないというシンプルな目的が、制度設計によって具体的な形を持ち始めた例といえるだろう。

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