Z世代が選ぶ新しいキャリア戦略「リリーパディング」とは

近年、Z世代の間で「リリーパディング(lily padding)」と呼ばれる働き方が注目されている。

これは一つの企業に長く留まるのではなく、複数の仕事や業界を渡り歩きながらスキルや経験を積み上げていくキャリア戦略を指す。

従来の「キャリア=階段を上るもの」という価値観に対し、リリーパディングは“ハスの葉を飛び移るカエル”のように機会ごとに最適な場所へ移動する発想に近い。

Z世代は安定よりも柔軟性や自己成長、価値観との一致を重視する傾向が強く、この非線形なキャリア観が広がっているようだ。

終身雇用的な安定が保証されない現代の中で

背景には、雇用の不確実性やスキルの陳腐化スピードの加速があると考えられる。

テクノロジーの進化により必要なスキルが短期間で変化するため、一つの職場に留まるよりも複数の環境で経験を積む方が市場価値を保ちやすいと捉えられている。

また、終身雇用的な安定が保証されない現代では、「会社への忠誠」より「自分の市場価値」を優先する意識も強まっている。

結果として、転職はリスクではなく“リスク分散”として機能している側面もあるといえる。

メリットとリスクが共存

リリーパディングは、短期間で多様なスキルや人脈を獲得できる点で有利に働く可能性がある。

一方で、専門性の深さが不足したり、企業側から「定着しない人材」と見なされるリスクも否定できない。

この動きは単なる“転職の多さ”ではなく、キャリア設計そのものの変化を示しているとも考えられる。

今後は、企業側が柔軟なキャリアパスを用意するのか、それとも個人が流動性を前提に動き続けるのか、そのバランスが問われていくことになりそうだ。

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