「タイパ疲れ」が6割超。2026年夏の旅行で注目される「メンパ」って?
株式会社マクロミルが、全国3,000人を対象に実施した2026年夏レジャーの消費スタイル調査が、ちょっと立ち止まりたくなる結果を見せています。
効率よく動く「タイパ」志向が広がる一方で、心の負荷を減らす「メンパ」という新しい消費軸が浮上しているというのです。
タイパ意識は6割超、でも同じ6割が
「タイパ疲れ」を訴えている

「タイパを意識して行動している」と答えた人は、全体の56.0%。かつてはZ世代──つまり1990年代後半以降に生まれた若い世代──の専売特許のように語られていましたが、いまや60代まで約半数に浸透しています。
驚くのはここからです。タイパを意識している人のうち、実に62.6%が「タイパに気疲れすることがある」と答えているのです。
学生や女性30代では、その割合が約7割にのぼります。効率を追いかけること自体が、新たなストレス源になっている。
しかも「タイパ疲れ」を感じている層に絞ると、旅先の散策や食事、観光名所めぐりといった「本来ゆっくり味わうはずの時間」でさえ、効率を求めてしまう傾向が全体より5〜8ポイントも高く出ました。
効率を手放したいのに、手放し方がわからない。そんな矛盾が、数字にくっきり表れています。
「何もしない」に、お金を払う人たち

調査では、夏のお出かけスタイルを5つのタイプに分類しています。効率重視の「タイパ派」が2タイプ、心の充足を優先する「メンパ派」が3タイプ。
興味深いのは性別による偏りです。男性はタイパ派に、女性はメンパ派に寄る傾向がはっきり出ました。
特に男性30代は「お金を使ってでも行列や混雑を避ける」タイプが全体より13.7ポイントも高く、女性60代は「予定を詰め込まず、何もしない贅沢を楽しむ」タイプが13.1ポイント高い。
同じ「快適さ」を求めていても、男性は障害物を取り除く方向に、女性は余白をつくる方向にお金を使う。アプローチがまるで違うのです。
メンパ派508人に追加予算を聞くと、ボリュームゾーンは1回あたり1,000〜5,000円。「思い出や心の充足に全振りする」エモ層では5,000〜1万円未満が最多でした。
数千円の上乗せで「焦らなくていい時間」を買う。それは贅沢品というより、効率社会へのささやかな自衛策なのかもしれません。
「ゆっくりしたい」は
タイパの敗北じゃない

メンパ派が追加予算を払う最大の理由は「混雑や疲労などのストレスを避け、快適に過ごしたい」で46.5%。次いで「自分のペースで楽しみたい」36.4%、「絶対に失敗したくない」36.2%と続きます。
どれも裏を返せば、「効率を追った結果、失ったもの」のリストです。
この夏、旅先でふと立ち止まったとき、「ここ、もう少しゆっくりしたいな」と思えたら──それはタイパの敗北ではなく、自分の感覚がちゃんと生きている証拠なのだと思います。
急がなくていい時間にこそ、旅の記憶は宿るものですから。






