賞金222万円の睡眠競技「マットレース by Koala」10月5日、南青山で開催

「寝すぎ」を咎められたことがある人は、きっと少なくないはずです。でも、もしも「よく眠れた人が勝ち」というルールの競技があったら——その常識、ちょっと揺らぎませんか。

睡眠を「隠すもの」から
「披露するもの」へ

ゼッケンをつけ横たわる参加者と「ピンポーン♪宅配便です〜!」という睡眠妨害の吹き出し演出
© Koala JP 株式会社

マットレスブランド・Koala(コアラ)が、2026年10月5日に東京・南青山で開催するのが「マットレース by Koala」。参加者がコアラマットレスの上で一斉に眠り、その「睡眠の質」をデータで競い合うという、前代未聞の体験型イベントです。

計測には専用の睡眠機器を使い、眠りの深さや入眠までの時間、睡眠の安定性などを医師監修の独自スコアで数値化。総合1位には、眠りの擬音「Zzz」にちなんだ賞金222万円が贈られます。

さらにユニークなのが特別賞の存在。深い眠りに落ちた人を称える「熟睡ダイブ賞」、仰向けや横向きといった一般的な寝姿の枠を超えた人に贈る「寝返りアクロバット賞」など、寝相すらも評価対象になります。

寝姿というのは、本来もっとも無防備でプライベートなもの。それを人前に晒し、審査し、称える。この設計そのものが、「睡眠=隠すべき私生活」から「睡眠=披露するパフォーマンス」への価値の反転を体現しています。

「眠れない国」だからこそ
刺さるメッセージ

背景にあるのは、日本の睡眠事情です。OECD(経済協力開発機構)が2021年に公表した調査によると、加盟33カ国のなかで日本は平均睡眠時間が最も短い国でした。

「もっと寝たいのに寝られない」「寝ることに罪悪感がある」——そんな空気が漂うこの国で、白昼堂々、青山の芝生の上で本気で眠り、しかもそれで賞金がもらえる。このギャップは、笑いながらもどこかホッとする提案ではないでしょうか。

企画監修を務めたのは、「泡パ」や「脳汁銭湯」など、日常の行為を非日常の体験に変換してきたクリエイターのアフロマンス氏。「寝ることまでスポーツにできないか?」という問いから生まれたこのイベントには、競技前に全員で行う「入眠体操」や、ランダムに配られる快眠グッズ「スリープアイテム」、さらには競技中に突然訪れる「睡眠妨害」の仕掛けまで用意されています。

ただ寝るだけでは終わらない。でも、いちばん大事なのは「よく眠ること」。その矛盾が、このイベントの核心です。

「よく眠る」が褒められる社会へ

私たちは「早起きは三文の徳」とは言いますが、「よく眠るのは偉い」とはなかなか言いません。睡眠は努力や成果の対極に置かれがちで、長く眠ることはどこか怠惰の象徴のように扱われてきました。

でも、もし「よく眠れた人が勝者」という価値尺度が、冗談ではなく本気で提示されたら。それは睡眠を罪悪感から解放する、小さいけれど確かな一歩になるかもしれません。

寝ることを、もう少しだけ誇らしく思える日が来てもいい。そんなことを考えさせてくれるイベントです。

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