【未来のインテリア】スピルリナが増殖する照明器具がスゴい!
スピルリナとは、藍藻の一種。大豆より豊富なタンパク、およそ30種以上のミネラルなど、人間にとって必要な栄養素がぎっしり。スーパーフードとしても注目を集め、アメリカ航空宇宙局(NASA)が“未来の食糧”として、研究を始めているのも有名な話です。
建築デザイナーのJacob Douenias氏と、工業デザイナーEthan Frier氏が共同開発した「Living Things」は、ひと言でいえば「スピルリナを育てる家具」です。現在、米ピッツバーグの現代美術館に展示されているインスタレーションですが、近い将来、家庭のインテリアとなり得る可能性を十分に秘めています。
「Living Things」は、スピルリナの栽培装置を照明器具と同化させ、さらにはサプリメントとして粉末状スピルリナを作り出すことができる循環型プラント。
制作者の Douenias氏は、米メディア「Fast Company」の記事の中で、開発の着想をこう語っています。
「自分たちが必要としていないもの、不要と感じるものをリサイクルすることで、どうやったら補足食料を作りだせるかということに注目しました。この顕微鏡でしか見えないような微生物の世界を視覚化するには家具がいいと思ったんです」
LEDランプが内蔵された花瓶型の容器には、微生物とスピルリナが共生しており、家庭で出る熱とランプの光、そして二酸化炭素を媒体にして成長する仕組み。スピルリナをはじめ藻類は、わずか1日で、倍量になるほど成長スピードが早い植物。顕微鏡レベルでしか見えませんが、成長するに従ってどんどんとタンパク質に変化していきます。
こうして、成長させたスピルリナを容器から取り出し、専用の濾過器にかけると緑の液体が、およそ60%のタンパク質を含むサラサラの粉末状に姿を変えます。もちろん、料理にもそのまま使える自家製サプリメントが出来あがるのです。
藻は再生可能な資源であるにもかかわらず、微生物研究においてほとんど未開発なままでした。
水槽をイメージして作られた容器は、ちゃんとインテリアとして洒落心を感じさせるところがいいですよね。
Photos by: Tom Little
Reference:Fast Company
Licensed material used with permission by Living Things