妻のために、約50万坪の「ひまわり畑」をオープン!
ウィスコンシン州の街オークレアに400エーカーにも及ぶ大きな「ひまわり畑」がある。その広さは東京ドームでたとえるとおよそ35個分と広大だ。
農場には「Babbette’s Seeds of Hope(バベットの希望の種)」と描かれた看板がある。実はこれ、オーナーのドン氏が、妻・バベットさんのために作ったものなのだ。
2006年の春、バベットさんは「多発性骨髄腫」と診断された。WEBサイトによれば、彼女やドン氏を含め、家族全員がへとへとになるほど過酷な治療だったそうだ。彼女の体は22種類ものガンに蝕まれていた。
が、持ち前の性格もあり「今日も良くなってる!完治まで一歩前進!」と前向きな姿勢で望んだ結果、当初2週間ほどしか生きられないと診断を受けたにも関わらず、気が付くと9年もの月日が経っていた。「ABC News」が記事で伝えている。
彼女は、がん治療を経験したことでその臨床試験がいかに重要かに気づいたそうだ。そして、病気と戦う家族や研究機関、患者支援団体に「ひまわりの種」を寄付できる農場をつくりたいと思った。
残念ながら、彼女は運営開始の1ヶ月前、66歳で亡くなってしまった。しかし、彼女の夢はドン氏によって引き継がれ、2014年11月17日にひまわり畑はオープンした。
米・メディア「kare11」では、彼女が亡くなった4ヵ月後に発見された手紙が紹介されている。ドン氏や家族へと贈られたものだ。
「前進して、毎日を一生懸命生きて下さい。朝の空気の中に私を感じてください。目が覚めた時も、コーヒーを淹れている時も、私はいつもそばにいます」
ドン氏は彼女のことを、とても美しく、出会った誰もが魅了されてしまう性格の持ち主だったと語っている。控えめだったため、ひまわりの種のバッグに彼女の写真を使うことに対しては「本人が喜ぶかどうかはわからないけどね」と話している。
今、ウィスコンシン州にある高速道路「Highway 85」の両側には、6,400kmにもわたる黄色いひまわり畑が広がっている。彼女に魅了された人々と同じように、その美しさに目を奪われてしまう人が続出しているようだ。