「絶望してはいけない」チャップリンの演説が、胸に響いてくる(仏・同時テロ)
映画好きならずとも、“史上最高のスピーチ”と称されるチャーリー・チャップリンの演説は、ご存知の人も多いでしょう。20世紀の喜劇王が挑んだ初のトーキー(映像と音が同時に流れる)映画『独裁者』。およそ6分間にも及ぶ演説のなかで彼が最も表現したかったこと、それが「絶望してはいけない」というメッセージでした。
「I Heart Intelligence」ライターDharam Barrett氏は、先のパリ同時テロ、さらにはベイルートをはじめ、世界各地で悲しみの連鎖が続く現実に、チャップリンの歴史に残る演説を紹介しながら、平和のための団結を呼びかけています。
ここでは、映画『独裁者』より、チャップリンが語ったメッセージを紹介したいと思います。
「絶望してはいけない」
チャップリン
6分間“魂の演説”
「知識は、ときに我々を冷淡にする。知恵は、ときに我々を薄情で不親切な人間へと変えてしまった。我々は、いつも考えすぎていて、感じることを止めてしまったのだ。我々に本当に必要なのは、人類愛ではないか。仕組みよりも人間味なはずだ。賢さよりも、思いやりや優しさが必要なはず。それをなくしてまったら、人間はただ暴力的になって、全てを失うことになる。今だって、私の言葉は世界中の何百万の人々の元に届いている。絶望した大人にも、未来をなくした子どもたちにも、罪もなく投獄され拷問を受けた人々の元にも届いているのだ」
チャップリンは、さらに私たちを鼓舞し、こう勇気づけています。
「だが、この声が届く全ての人々に言いたい。"絶望してはいけない"と。我々が今経験している不幸は、ただ単に過ぎ去っていく欲望であって、人間の進歩を恐れる者たちの嫌悪にすぎない。憎しみはいつか消え去り、独裁者が倒れれば、奪い取られた権力は、必ずやまた我々の元へと帰ってくるだろう。人間が死んでしまえば、自由もまたそこで途絶えてしまう。みんな自分の人生を自由に美しく描くことができる。素晴らしい冒険へと変えることだってできるんだ。さあ…民主主義の名の下に闘おう。今こそ団結し、手を取り合おう!新しい世界のためにひとつになろう」
この演説は、すべてチャップリン自身によって書き上げられました。鬼気迫る映像は、以下の動画から。
Reference:Charlie Chaplin
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