カメが原因で列車が遅延。解決したのは、やっぱり水族館!

列車のダイヤに遅れが生じる原因はさまざま。でも、よもやカメがその一因となることがあろうとは。想像できませんよね?西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)とて同じこと。そこで、「カメのことは専門家に」と彼らが協力を依頼したのは水族館でした。

線路のポイント切り替え部に
カメがすっぽりハマる

挟まったカメ

「みっ、身動きできん…」とカメが思っているかどうかは別として、写真の赤枠内にカメの甲羅が見えると思います。列車が進路を変えるポイント(分岐器)にカメが挟まった状態。なんだか、シュール。でも、これが大きな列車遅延の原因となっていました。

JR西日本和歌山線の五位堂駅付近では、毎年夏になると近くを流れる小川からか、それとも駅前の貯水池か、どこからともなくカメが線路に上がってくるそうです。JR西日本によると、事象が起こるのは、カメが最も活発になる5月から9月。調査の結果、陸上を歩くカメが線路を渡るときにトラブルが発生していることが判明しました。

踏切から進入したカメが2本のレールの間に落ちると、彼らはレールに沿って歩くしかなく、最後はこの地点にやってきて、結果、分岐器の隙間に挟まってしまう。ポイントが正常に切り替わらず、列車が遅れていたのです。

線路下にカメ専用の
U字溝レーン設置で◎!

U字溝に落下したカメ

JR西日本は、神戸市立須磨海浜水族館に協力を依頼。カメの習性をよく知る専門家の知見を元に、“カメ救出装置”が設置されました。水族館はリリースの中で、その装置についての説明をしています。ポイントに辿り着く前にU字溝を埋め、やってきたカメをそこに落下させて安全を確保するという案。意外にもシンプル。でも、それが一番なのでしょうね。
現に、このカメ専用レーンの甲斐あってか4月から8月の期間、10匹のカメが溝に落ちて助けられたようです。

「列車の遅れとともに、カメの事故死を減らす技術を誕生させることができたので、JR西日本と当園、両者ともになんとなくさわやかな気持ちになりました」

目に見える結果で、列車遅延の改善に貢献した須磨海浜水族館。来夏も多くのカメが、のんび〜り線路を渡ることができそうです。

Reference:神戸市立須磨海浜水族館
Licensed material used with permission by JR西日本

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。