「焼き飯」「チャーハン」「ピラフ」の違いとは?
世の中には、たくさんの「似ているけれど異なるもの」があります。例えば「焼き飯」と「チャーハン」と「ピラフ」。
この3つは食べる機会が多いだけに、その違いについて気になっている人も多いのではないでしょうか。
1.料理の主材料であるお米の調理方の違い
焼き飯、チャーハン、およびピラフを作るときの主材料のお米を、炊きあげてから調理に使うのか、生のお米の状態から調理するか、という点で大きな違いがあります。
炊きあげたお米を調理に使うのが焼き飯とチャーハンです。
生のお米を炒めてからスープで調理して作るのがピラフです。
つまり、焼き飯とチャーハンは炊きあげたお米を炒めて作る料理で、ピラフは生のお米をスープで味を付け、具材を入れて炊いて作る料理という明確な違いがあります。
2.焼き飯とチャーハンは、卵を入れる順番の違い
焼き飯とチャーハンの違いは、卵の調理方法の違いとされています。
中華料理では、卵とご飯を炒めてから具材を入れてチャーハンを作ります。
一方、焼き飯では、ご飯を炒めてから卵、具材を入れて作るのが一般的です。
そのため、チャーハンには卵が必ず入りますが、焼き飯では、卵を入れないで作られることもあります。
3.チャーハンと焼き飯は、料理を提供する飲食店の違い
調理の方法ではなく、チャーハンと焼き飯の違いには、料理が提供される飲食店にも違いがあります。
中華料理店では、チャーハンとして提供されますが、中華料理を専門としていない料理店は、名称を焼き飯として提供するのが一般的だそうです。
そのため、中華料理専門店以外では、作り方がチャーハンの作り方であっても焼き飯として提供されることがあります。
中華料理専門店ではなく喫茶店などでは、焼き飯やチャーハンよりピラフを提供しているところが多いようです。
4.チャーハン、焼き飯、ピラフの調味料の違い
3つの料理はそれぞれ使用する調味料にも違いがあります。
チャーハンは醤油やごま油等と使用しますが、焼き飯はオイスターソースや和風だしを使用します、ピラフはバターやブイヨン等、洋風の調味料を多く使用します。
5.焼き飯とチャーハンとピラフのルーツの料理とは
焼き飯とチャーハンとピラフの起源となった料理は、定説としてインド料理の「プラーカ」とされています。
このプラーカが、西方のウズベキスタンやトルコを経由してヨーロッパのフランスに伝わり、ピラフという料理が生まれました。
一方、プラーカが東方の中国に伝わると、チャーハンとなり中国を経由して日本に伝わり焼き飯という料理に変化しました。
このように、焼き飯とチャーハンとピラフの起源は同じと考えられ、良く似た料理となっています。
なお、ピラフは、スペインに伝わりパエリアとなって、イタリアに伝わりリゾットという料理へ変化していったと考えられています。
日本でも、焼き飯以外に炊き込みご飯もあり、具材とともにお米を煮込む点で共通する調理方法です。
焼き飯とチャーハンとピラフの基本的な調理方法による相違点と、起源となった料理について紹介しました。現代のように便利な情報伝達手段がなかった時代に伝わっていった調理方法は、地域の特色を取り入ながら、世界各国の風土にあった料理に変化していったことがわかります。