素材に竹を用いた「バンブーバイク」が、世界を変えるかもしれない
生粋のサイクリストが開発した、「竹」をフレーム素材に用いた自転車が注目を集めています。トレンドやファッションとは一線を画す、このエココンシャスな「バンブーバイク」には、持続可能な生活へと向かうヒントが隠されていました。
フレーム素材に
「竹」を使用した自転車
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このスタイリッシュな自転車のフレーム部分をよ~く見てください。
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素材に用いているのは「竹」。
軽量で強度のあるアイアンバンブーを用いたこの「バンブーバイク」を開発したのは、幼少期から家族共通の趣味が“自転車旅”というサイクリストMatt Wilkins氏。彼のアイデアは、ジョージ・ワシントン大学在学時に専攻していた工学研究で、天然素材を用いたイノベーション課題から生まれたものだそう。
スタイル優先よりも、
「竹素材」にこだわった理由
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素材選びは「意外にすんなり決まった」とWilkins氏は言います。
Google検索で「自転車 フレーム 軽量化」といった具合に検索をかけていき、アイアンバンブーにたどり着いたそうです。いかにもモバイル世代らしい方法で、彼は自分の自転車に最適な素材を選出。イメージに最も近かったのは、1890年代に製造された竹を使った自転車。120年前のそれをお手本に、フレーム構造を竹で組み上げていきました。
試作を繰り返し、ようやく納得のいくフレームを手に入れ、彼は学生時代の仲間とともに「Pedal Foward」を設立。2011年のことでした。
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竹のもつ強度や軽さ、衝撃の吸収性は周知のとおり。じつは、この素材を自転車のフレームに採用する例は、珍しい話ではありません。ただ、これまでは、デザイン重視や軽量化を目的としたスペックに焦点が行くものがほとんど。これに対しPedal Fowardは、まず竹ありき。この素材をおいて他になかったのです。
Wilkins氏が説明するように、若い竹の生長力は著しく一日に1m近く伸びるとも。さらに、気候条件や環境に左右されない生命力の強さが、竹の魅力。世界のおよそ1,450近い地域に生息しているんだそう。じつはここに、Pedal Fowardの狙いがあったのです。
その土地の竹を用いることで
貧困国でも自転車に乗れる
貧困国でも自転車に乗れる
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自転車を必要としているけれど、手に入れることができないでいる貧困国の人々にバンブーバイクを届けたい。それも、既成品を送るのではなく、自国の竹を素材に使い彼らが製造できるシステム作りを構築することが大きな夢。
「学校に通うため何キロもの道のりを歩く学生たち。収穫した野菜やくだものを、ホイールだけになった自転車のサドルにあふれるほど載せて、市場へと向かう農夫がいます。自転車に用いる金属が手に入らない国もある。でも、素材が竹で組み立ても簡単だったら。きっと、もっと自転車が身近に感じると思うんです」
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Pedal Fowardは2013年、タンザニアに暮らす孤児たちに35台の自転車を寄付しました。さらに、現在も「Kickstarter」で出資者を募り、資金の一部をタンザニアへの自転車寄付に充てることを公言しています。これが、近い将来バンブーバイクに変わることを願って。
「一人でも多くの人に自転車の魅力、心地よさを伝えたい」とWilkins氏。大きなプロジェクトは着実に動き始めているようです。
持続可能な生活への
ヒントになるかもしれない
ビル・クリントンも太鼓判
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話は前後しますが、2012年試作モデルを手にPedal Fowardのメンバーは、アメリカ元大統領ビル・クリントンの隣にいました。環境問題に対する解決策を行動に移す、「クリントン・グローバル・イニシアチブ(CGI)」へと招かれ、バンブーバイクによるイノベーションを唱えた一幕でのもの。
「世界中で作られたこの自転車を見てみたい。これが、人々の持続可能な生活の始まりになるかもしれない」
単にトレンドやファッションとしての「天然素材」とは、趣を異にする彼らの発想に、元大統領も賛同しました。
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車体価格は500ドル(約6万円)での販売を予定。あれ、意外にもリーズナブルと思いません?ここにもWilkins氏の哲学あり。「手が届きやすい価格設定」それは、誰にでも自転車生活が「楽しい」と思わせる、生粋のサイクリストからのメッセージ。日本でも、注目を集めるかも!